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ミステリー 書評

【ブックレビュー】神とさざなみの密室(市川憂人)

更新日:

【作品情報】
 作品名:神とさざなみの密室
 著者:市川 憂人
 ページ数:343
 ジャンル:ミステリー
 出版社:新潮社

 おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
 政治色強い度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 政治色あってもミステリーとして楽しみたい

 

■作品について

対立する政治団体の男女二人が、目覚めたら閉鎖空間にいた。
そして二つの部屋に二人の遺体。
なぜ、このような状況に陥ったのか。
犯人の意図はなんなのか。

単純に助けを呼べば、自分たちが犯人と疑われ、政治団体に所属しているだけにどのようなバッシングがあるか分からない。
真相を解くため、反発する二人は事件の真相を詰めていく。

■良かった点

物語としては政治色が押し出されている作品。
二人の主人公がいて、それぞれ右、左の思想を持っている。

  • 現政権の打倒を標榜する団体で活動する凛
  • 外国人排斥をうたう団体に属している大輝

それぞれが過去を持ち、その過去から今の活動に至る。
でも政治活動に身を入れるということは、否応なくして自分の身近な人にも影響を及ぼすわけで。
自分が正しいと考えていても、それが誰にでも受け入れられるわけではない。
むしろ拒絶され、嫌悪される可能性も高い。
それでも活動を続けるのは、その人なりの思いがあるからなのだろうが。
二人のうちのどちらの考えに共感できるか、あるいはどちらにも共感できないか。
その辺の政治色に拒絶を覚えると、もしかしたら読みづらいのかもしれない。

 

ただ、そういうメッセージはあれども、あくまでミステリーとして読めばきっちりしている。
二人が放り込まれた閉鎖空間。
二人に直前の記憶はなく、気が付いたとき、男はテーブルの上に寝ていて、女は両手首を縛られ動けない状態。
そして部屋には顔を焼かれた遺体と、全身を焼かれた遺体が転がっていた。
スマホは残されており、助けを呼ぼうと思えば呼べるけれど、この状態で警察を呼べば確実に容疑者となる。
さらには対立政治団体に所属する二人だけに、どのような事態となるかも考えなければならない。

だから二人は対立しあいながらも情報を出し合い、結論を探し出そうとする。
スマホだけのやり取りで登場する探偵役がいたりして、謎と伏線はきっちり見せてくれる。

ミステリーに政治色を絡めるのは珍しいので、そういった意味では作者的にも挑戦的な作品かもしれません。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

設定やなんかはかなり無茶があるとは思うけれど、そこはご愛嬌と済ませられるか?
あとはやっぱり政治色のメッセージに拒否感を覚えるかどうか、でしょうかね。
あえてそういうテーマにして作った作品なのでしょうけれど。

 

 

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