【作品情報】
作品名:崩れる脳を抱きしめて
著者:知念 実希人
ページ数:292
ジャンル:ミステリー
出版社:実業之日本社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
すらっと読める度 : ★★★★★★★★★☆
こういう人におススメ! : 恋愛ミステリーをライトに楽しみたい
神奈川県の病院に実習としてやってきた研修医の碓氷。
幼い頃に父親が借金を背負っていなくなり、苦しい生活をして来た碓氷は、脳外科医としてやがて世界に出ていき金を稼ぎたいとがむしゃらに勉強してきた。
そんな彼が出会ったのは、脳腫瘍を患い余命いくばくもない女性、ユカリ。
彼女との出会い、そしてやり取りを通し、変わっていく碓氷だったが、実習を終えた碓氷のもとにユカリの死が伝えられ・・・
医療、恋愛、そしてミステリーのあわさった一作。
医療とミステリーをあわせた作品を幾つも出している知念さんの作品らしい。
脳外科を目指す碓氷が実習先のホスピスで終末医療に関わっていく中で担当した女性、ユカリ。
脳腫瘍を患い、もってあと数か月の命。
そんなユカリとの交流を通して、碓氷の父親の謎が解けていき彼の心が解放される物語・・・・もあるにはあるが、それは前半で終わってしまう。
むしろそこからが本番。
実習を終えて広島に戻った碓氷のもとにユカリの死の報せが届いたことから、物語は再び動き出す。
ユカリが死んだのは病院から遠く離れた横浜の地だった。
一人で遠くに外出することもままならなかったユカリがなぜ、そんな場所で倒れたのか。
ユカリは本当に亡くなったのか。
ユカリが残した遺言書の行方、碓氷の周囲から感じられる監視の目。
ユカリの死の真実とは?
そんな感じのミステリーが繰り広げられていく。
その中で親子、家族に関すること。
ユカリに対する碓氷の恋心。
そういった要素が絡み合っていく。
ラストにはどんでん返しというかも待っており、最後まで油断することなく楽しませてくれる。
また、知念さんの他の某作品を読んでいる人には、ちょっとだけ嬉しいことも。
(まあ、終末医療のホスピスという時点で・・・・)
ライトな筆致で読みやすく、あっという間に読み終えることが出来る。
あと、出てくる女性がなかなか魅力的。
冴子さんが素敵。
個人的には冴子一択ですな!
彼女が幸せになって欲しいなぁ。
価格:1,166円 |