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SF 書評

【ブックレビュー】大進化どうぶつデスゲーム(著:草野原々)

更新日:

【作品情報】
 作品名:大進化どうぶつデスゲーム
 著者:草野 原々
 ページ数:351
 ジャンル:SF
 出版社:早川書房

 おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
 百合とグロ度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 百合SF群像劇にピンと来た方

 

■作品について

突然として怪異に襲われた女子高校生たち18人。
現れたのはAI生命のシグナ・リア。
リアがいうには、彼女たちがとあるゲームに参加しないと人類は滅亡してしまうという。
否応なしにゲームに参加せざるを得ない女子高校生18人は、800万年前のサバンナへと転送され、人類滅亡をかけたデスゲームにのぞむこととなった。

■良かった点

いやー、なんだこれ。
SFで、百合で、グロ。
デスゲームといっているけれど、別に女子高校生同士が殺し合うわけではなく、800万年前のサバンナで動物達と戦うのがメインというか、その戦いもあまり多くないけれど。
どちらかというと、そういう展開を通して女子高校生同士の関係性とかが変化していくのを読む作品だと思った。
登場する女の子達は、お嬢様、厨二、引きこもり、オカルトマニア、王子様系、体育会系、などなどある意味テンプレ的な感じだけど、同じようなキャラばかり登場させても仕方ないので、まあこれはこれで。
キャラの何人かは、ちょっとイカれているとしか思えませんが。

なので、デスゲームというよりも、女子高生たちがちょっと百合百合しながら800万年前の世界を冒険する物語、として読んだ方が楽しめる。
というか、そういう方向で描かれている。
但し注意しなければならないのは、途中でやたらグロいこと。
バトルの時とか、ラストの方とか、そういう描写が苦手な人は注意しましょう。
グロ描写は本筋に関係ないので、読み飛ばしてしまっても問題ありません。
むしろ、なぜそこまでグロ描写するのか、ひとえに作者の趣味であろうか?

とにかく、なんというかアレな作品なので、好きな人は好き、駄目な人は全く駄目な作品だろう。
ちょいと登場人物が多すぎて、埋もれてしまっているキャラも結構いるのが勿体ない。
「ハード百合SF群像劇」なら、もっと百合百合してほしかったのは贅沢?

■ここが改善できるともっとよかったかも?

これって続き物になるのでしょうか?
途中、なんのための描写か分からなかったり、なんのための人間関係の変化か分からない部分が多々ある。
分からないというか、本作中でまったく活かされていないというか。
だから、続くんですかね?

あと、オチが。
どこかでみたオチだよこれ。

 

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