【作品情報】
作品名:神酒クリニックで乾杯を
著者:知念 実希人
ページ数:319
ジャンル:ミステリー
出版社:KADOKAWA
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
登場人物の癖が強い度 : ★★★★★★★★★☆
こういう人におススメ! : エンタメ医療ミステリーを読んでみたい
医療事故を起こしてしまい、行き場所をなくした九十九勝巳。
恩師の勧めに従って訪れたのは「神酒クリニック」
そこには、腕は一流だが一癖も二癖もある医師たちが集まった特殊な医院だった。
病気にかかっていることを知られるとまずいVIP患者の治療を行う神酒クリニック。
だが、実はその裏にはまた別の仕事もあって。。。
当直の日に泥酔して医療事故を起こしてしまった九十九。
どこにも行く当てがなく失意の日々を送っていた中、恩師の勧めで辿り着いたのが「神酒クリニック」
院長の神酒をはじめ、そこに集っているのは見た目も腕も非常に特殊な医師たち。
- 色気たっぷり、グラマラスな美人産科医
- 中学生かと見まがうような容姿だが、人の心を見抜く精神科医
- 抑鬱気味でありながら内科医、麻酔医で超人的な記憶力を持つ男
- 真面目で大人しそうだけどスピード狂の看護師
彼らが行うのは、世間に知られるわけにはいかないVIP達の施術。
さらに、それだけにとどまらず彼らには”裏の顔”もあって。
という物語設定。
医療ミステリーというよりは、医療を舞台としたエンタメ的なミステリーの要素の方が強い。
登場人物達も非常にキャラクターが濃くて、言うなればラノベの登場人物であり、それも間違っていないだろう。
「天久鷹央」シリーズとリンクして、そのシリーズに関連するキャラクターも登場したりするし。
さて、彼らが行う仕事は、患者からの依頼を受けて事件を解決すること。
それが患者のケアになるならばという理由で、さらに彼らがそれを成しえる程優秀ということで受諾する。
今回は、とあるゼネコンの創始者からの依頼で、その男の隠し子を殺害した犯人を見つけること。
神酒クリニックのメンバーは特殊能力をいかんなく発揮して、事件を追いかけていく。
この辺は完全にエンタメ、ラノベの勢いです。
そこは、そういうものだと思って楽しめば面白く読めます。
事件を追いかけていって、終盤の展開は、うん、まあバレバレかなぁ。
どんでん返し的な展開をさせているのだろうけれど、非常に分かりやすいので多くの人は予想がつくような気がする。
別にそれが悪いというわけではない。
お約束的に着地するというのも一つの面白さ。
本作には続きもあるようで、このラストから繋がっていくのか、あるいはまったく新しい事件・展開となるのか。
さて。
本格的な医療ミステリーを期待して読むと肩透かしにあう。
医療のシーンもあるけれど、そこが主ではない。
ミステリーというか、サスペンスドラマという感じが強いか。
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