エンタメ 書評

【ブックレビュー】応えろ生きてる星(著:竹宮 ゆゆこ)

更新日:

【作品情報】
 作品名:応えろ生きてる星
 著者:竹宮 ゆゆこ
 ページ数:254ページ
 ジャンル:エンタメ
 出版社:文藝春秋

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 前向きになれる度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 一歩踏み出していきたい人

 

■作品について

結婚を直前に控え、幸せ満タンのはずだった主人公の前に突然現れた謎の女、そしてキス。
そこから男の人生はおかしくなり始める?
婚約者が他の男と逃亡
絶頂からどん底に落とされた男の前に再び現れた女。

それは、男と女、人生の再生の物語。

■良かった点

まず言っておかねばならないのは、今作でも「ゆゆこ節」は炸裂。
そしてヒロインは奇行に走る。
現実を舞台にしつつ、ノリはあくまでラノベ的。ゆゆこ文に慣れている人には問題ないでしょうが、初読みとかだとどうなんでしょうか?
相変わらず勢いのある文章でぐいぐい引っ張っていかせる。

謎の女は何者なのか?
なんでそんな言動をしているのか、主人公につきまとうのはなぜなのか。
なんとなく予想はつくものの、後半で明かされる彼女の持つしがらみというか重さというかは、パワフルな文章に隠れがちだがなかなか厳しいものがある。

物語は、人生や夢や、そういったもので壁にぶちあたり、挫折し、崩れ落ちた男女の再生を描く物語。
恋愛でもあるのだが、恋愛要素が強すぎること無く、自分を振り返り、この先どうするかを考えさせる方が強いか。
主人公も三十路越えなだけに、ある程度年齢が近い人や上の人が読んだ方が共感を得る。

そう、皆死んでいるわけではない。
星は輝いて、生きて、そこにある。力尽きるまで。
自分も、彼女も、精一杯に輝いて光っている。
主人公も、それに気が付いて新たに歩きはじめる。

竹宮センセの文章はラノベな感じで勢いがあるし、ギャグや破天荒な言動もあって紛れてしまうけれど、中に込められている設定や想いはとても深刻で、色んな人の内面を切り取っている。

ラスト、二人はどうなるのか。どうなったのか。
その読後感も良し。
こんな疾走感のある人生、送れたら良いだろうなぁ。

竹宮ファンはもちろん、そうでない人でも楽しめるはず。
文章の癖さえ嫌でなければ。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

まあ、面白いんだけど、いつものゆゆこといえばゆゆこさんなので。
少し違う路線、系統にはいかないのかしら?

 

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