【作品情報】
作品名:わざわざゾンビを殺す人間なんていない。
著者:小林 泰三
ページ数:331ページ
ジャンル:ミステリー
出版社:一迅社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
ゾンビ度 : ★★★★★★★★★☆
こういう人におススメ! : 特殊設定下のミステリー好き
全人類がウィルスに感染し、死ぬと活性化遺体、即ちゾンビになってしまう世界。
世界にはゾンビが至る所にいて、野良ゾンビが徘徊している。
そんな中で、とある研究者が密室の中でゾンビ化してしまう事件が勃発する。
一体いつ死んで、いつゾンビになったのか?
驚天動地のゾンビミステリー。
なんというか、設定だけで小林泰三である。
ゾンビが当たり前と化した世界だが、そこにはきちんとルールが敷かれている。
そして、そのルールの中できっちりとしたミステリーに仕立て上げているのだ。
ゾンビ化の概念、ゾンビ化後について、人への感染について、そういった設定がきっちり練り込まれており、あくまでその設定内で事件の解決に持っていく。
ここは本格ミステリー。
一方で、ゾンビものという部分もきっちり出している。
即ち、大量のゾンビに囲まれる、襲われるといったアクションである。
車にわらわらと群がって来られたり、もう嫌! な状況に主人公である女探偵は陥り、乗り切っていくのはゾンビ映画展開。
そしてもちろんのグロシーン。
ゾンビ×小林泰三となって、グロシーンが抑えられるはずがない。
特に途中で描かれる「ゾンビの踊り食い」シーンは圧巻である。
いや、ここまで描写する必要あるのか、さらにいうならなぜ踊り食いをさせたのか。
まあ、そういうことを考えるべきことではない。
そしてふんだんなグロ描写ではあるが、あいかわらずのすっとぼけた会話なので緊迫感はあまり読んでいて感じられず、意外とさらりと読めてしまうのもこの人ならでは。
私も基本的にホラー、グロは苦手なんですけれど、あまり感じさせないのですよね。
良いか悪いかは置いておいて。
良質ミステリーにして良質ゾンビもの。
どちらかに興味あったらご照覧あれ。
えーと。
こういう作品なのでグロ耐性が無い人は遠慮した方が良いかと思います。
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