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【ブックレビュー】ミュゲ書房(著:伊藤調)

更新日:

【作品情報】
 作品名:ミュゲ書房
 著者:伊藤調
 ページ数:272
 ジャンル:エンタメ
 出版社:KADOKAWA

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 本屋さん頑張って欲しいと思う度 : ★★★★★★★★★☆
 こういう人におススメ! : 読後感が良い作品を読みたい

■作品について

そこは、人も物語も再生する本屋さん

小説編集の仕事をビジネスと割り切れない、若手編集者の宮本章は、新人作家・広川蒼汰の作品を書籍化できず、責任を感じ退職する。
ちょうどその頃、北海道で書店を経営していた祖父が亡くなり、章はその大正時代の洋館を改装した書店・ミュゲ書房をなりゆきで継ぐことに……。
失意の章は、本に関する膨大な知識を持つ高校生・永瀬桃ら、ミュゲ書房に集まる人々との出会いの中で、さらに彼のもとに持ち込まれた二つの書籍編集の仕事の中で、次第に本づくりの情熱を取り戻していく。
そして彼が潰してしまった作家・広川蒼汰は――。

■良かった点

出版社で編集者だった宮本が、期待の新人をデビューさせることが出来なかったことに責任を感じて退社し、北海道の祖父が経営していた書店経営を引き継ぐことに。
その書店が、「ミュゲ書房」
今や少なくなっている個人経営の書店。
ここも、祖父母が趣味で開いたような店だが、街にある数少ない本屋であり、カフェスペースもあり街の人たちの集まりの場にもなっている。
経営を継いだとはいえ、祖父母は年金があったから続けていられたようなもので、それがない宮本は厳しい。
どうにか経営を軌道に乗せて続けていくことが出来ないかを試行錯誤していく。
その一手として、編集の力を活かして、ミュゲ書房から本を出していくというもの。
本作は書店の話であり、編集、発行の話でもある。

全体を通して、非常に王道というか、分かりやすい構成と展開をしており、誰でも読みやすく楽しめる。
嫌なタイプのキャラは嫌なタイプを貫き通し、それ以外の人は基本的に良い人ばかり。
どうにかしてミュゲ書房を盛り上げようと協力もしてくれる。
広川蒼汰が誰かっていうのは、ぶっちゃけ、すぐに分かる。
そうなると展開も見えてくる。
だけど、本作はそれでよい。
下手に捻るのではなく、誰もが幸せになれる結末を目指し、そこに到着するのを素直に気持ちよく感じるものである。

本に関わる人たちは本を愛し、優しい人たち。
そう思いたいですしね。

読後感の良い、素敵なストーリーを読みたい人におすすめの一作。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

面白かったけれど、完全ご都合主義なのは仕方ないか。
たまたま継いだミュゲ書房に、有能で優しい人たちが集まって盛り上げてくれるとか。
その人たちのつながりもまた、有能な人たちばかりだとか。
まー、いいんですわ、それで。
ある意味でファンタジー。

 

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