【作品情報】
作品名:ひらいたトランプ
著者:アガサ・クリスティー
ページ数:396
ジャンル:ミステリ―
出版社:早川書房
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
クリスティーらしさ度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 心理戦に重きを置いたミステリーを読んでみたい
名探偵ポアロは、夜ごとゲームに興じ悪い噂の絶えぬシャイタナ氏のパーティによばれた。
が、ポアロを含め八人の客が二部屋に分れてブリッジに熱中している間に、客間でシャイタナ氏が刺殺された。
しかも、客たちは殺人の前科をもつ者ばかり……ブリッジの点数表を通してポアロが真相を読む。
ちょっと面白いタイプのミステリー。
クリスティーは、こういう捻ったものを描くのが上手ですよね。
ブリッジのゲームを行っている間に、館の主人であるシャイタナ氏が殺害された。
殺人を行ったのは、同じ部屋でゲームを行っていた他の客人たちに限られる。
誰もが犯行のチャンスはあった中で、果たして誰が行ったのか?
ポアロが犯人に迫っていくのが、ブリッジの点数表から見られる容疑者たちの性格をもとに思考すると言うのが面白い。
この人はこういう性格だ。
ならば、このような行動をするはずがない。
とか、そんな感じで推理ものとしては変化球ともいえる。
物理的な証拠ではなく、あくまでその人なら犯行に至るのかどうかという筋道である。
下手をしたら犯人を逃してしまうかもしれない手法であろう。
探偵vs犯人の心理戦を描いたミステリーなのだ。
そんな中で、推理は二転三転する。
この人が犯人か、と思ったら実は・・・みたいなのが終盤にたたみかけてくるのは流石の感じ。
まさにタイトル通り「ひらいたトランプ」なわけですね。
ブリッジのルールが分かった方が、より楽しめるでしょう。
私はルール知りませんでした(笑)