プールで楽しく泳いでいる人たちを横に見ながら、祐麒は売店の方をのぞきこんでみることにした。
焼きそばやカレーといった食事をすることのできる店と、あとはジュースやアイスクリームを販売している店がある。店の方に目を向ければ、遠くからでもわかる令の長身と、三奈子のポニーテールを見つけることができた。
しかし、こうして令が女の子と並んで立っているのを見ると、本当に男女のカップルに見えてしまうのだからある意味凄い。令が女の子であることを知っている祐麒でさえ、そう感じるわけだから、他の人から見てみれば本当に美少年と間違えても仕方ないだろう。そんなことを考えつつ歩いて行くと、二人も祐麒のことに気がついたのか、軽く手をあげて祐麒の方に向かって歩いてくる。
「あれ、祐麒くんどうしたの。由乃たちと一緒じゃなかったの?」
首を傾けながら、令が聞いてくる。
ちなみに令はすでにパーカは脱いでいる。下はパンツスタイルだが、トップスの方は三角ビキニでなかなかにセクシーである。水色をベースにした水着で、爽やかさが令には似合っている。それでも美少年に見えるというのは、ちょっと令に失礼だったか。
「いやー、ちょっと別行動で」
「うふふ、ひょっとして私と令のことをわざわざ探しにきてくれたのかしら?」
三奈子が笑いかけてくる。
「そ、そういうわけじゃ」
言いながら、なんとなく顔をそむけてしまう。
というのも、令にしても三奈子にしても、スタイルが良くてセクシーで、目のやり場に困ってしまうから。
見せるために着てきている水着とはいえ、見た目は美少年そのものの令の、剣道により引き締められた肢体、そして三奈子の柔らかそうでしなやかな曲線は、若くて健全な祐麒には眩しすぎるくらいである。
意識していると悟られたくなくて、なんとか思考を切り替えようと試みる。
「二人は、何を?」
「ああ、まだ泳いでもいないのに三奈子が食べたいっていうから」
「いいじゃない、令だって結局、買ったわけだし」
「そりゃ、目の前で買われたら欲しくなるし」
笑いながら言う三奈子に、少し照れている令。
二人の手には、それぞれ売店で購入したと思われるものが握られている。
祐麒は。