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【ブックレビュー】君を愛したひとりの僕へ(著:乙野四方字)

更新日:

【作品情報】
 作品名:君を愛したひとりの僕へ
 著者:乙野四方字
 ページ数:253
 ジャンル:SF
 出版社:早川書房

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 恋愛モノ度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : ちょっと変わった並行世界ものを読みたい

■作品について

人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが実証された世界――
両親の離婚を経て父親と暮らす日高暦(ひだか・こよみ)は、父の勤務する虚質科学研究所で佐藤栞(さとう・しおり)という少女に出会う。
たがいにほのかな恋心を抱くふたりだったが、親同士の再婚話がすべてを一変させた。
もう結ばれないと思い込んだ暦と栞は、兄妹にならない世界に跳ぼうとするが……
彼女がいない世界に意味はなかった。

■良かった点

『僕が愛したすべての君へ』

と対になる一作。
本作の主人公も日高暦ではあるが、こちらでは並行世界の異なる日高暦の世界であり、離婚した両親のうち父親についていった世界になる。
父親についていったことで出会った、佐藤栞。
仲良くなり、親しくなり、次第に互いに恋心を持つようになっていく。
だけど、二人が出会ったことで、二人が幸せになる結末は失われる。
暦は、そんな世界は許さないと、栞が幸せになることのできる世界を探し続ける。
ある意味で、この暦の行動は狂気とも思える。
全てを犠牲にして、栞が幸せになることのできる世界だけを求め、暦の行動原理はすべてそこに収束する。他は、それに利用するためだけに存在する。
マッドサイエンティスト、ともいえるかもしれない。

『僕が愛したすべての君へ』が、並行世界に存在する全ての彼女(恋人)を受け入れる物語なのに対し、
『君を愛したひとりの僕へ』は、他の世界の栞は自分の愛する栞じゃない、と、世界に抗う物語。
まさに、対をなしている。

SFではあるけれど、SF部分は流し読み程度でも問題ない。
物語自体も長くないので、すらっと読み終えることが出来る。

私は本作の方を後に読んだけれど、個人的にはこの順番の読み方が好きだったかも。
そして、そのうえでもう一度『僕が愛したすべての君へ』を読み返すのがベターじゃないか、なんて思ったりもした。
『僕が愛した~』を読んだだけでは謎な部分が残る。
その謎が、『君を愛した~』で明かされる。
そしてそれを確かめるためにもう一度『僕が愛した~』を読んで理解する。
そんな楽しみ方が出来る。

逆に『君を愛した~』を先に読んだ場合、暦が選んだ世界とはどんな世界なのだろう?

そういう思いを強く持った状態で『僕が愛した~』に入り、そうか、これが暦が望んだ世界か、と腑に落ちながら読み進められる。
どちらから読むかで変わる物語。
それは確かに、そうだと思えた。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

特にないかなー。

 

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