【作品情報】
作品名:ヴァーチャル・ガール
著者:エイミー・トムスン
ページ数:437ページ
ジャンル:SF
出版社:早川書房
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
マギー可愛い度 : ★★★★★★★★★☆
こういう人におススメ! : 健気な美少女ロボット成長ものに興味あり
アーノルドが自らの伴侶にしようと作りあげたロボット、マギー。
人間と変わらぬ優しい心を持ったマギーとアーノルドは、二人で放浪の旅に出る。
もしもマギーがロボットだと知られると、マギーは破壊されてしまう。
それを、逃れるため・・・・
人工知能と人間との関係を描いた物語。
SFチックな展開を思い浮かべるかもしれないが、本作はSF色は薄く、むしろアーノルドとマギーの旅の物語だ。
だから作品としても、また文章的にも読みやすい。
SFになじみがなくても、読む上では支障にならないだろう。
本作はどちらかといえば、ロボット少女の成長物語、といった側面が強い。
コンピューターが、AIが感情を持つのか? 人との関係性はどうなるのか? というより、もはやそれは前提になっている。
マギーの成長とアーノルドとの関係。
そこだけに注視した、男女のドラマといったほうが近いか。
読んでいると、徐々に成長していくマギーが愛らしくなっていくし、頑張れと思ってしまう。
無垢であり、純真なマギーはある意味理想の女性なのだろう。
やがてマギーはアーノルドと離れ離れになってしまうが、旅をしながら色々な人と出会い、そして別れ、アーノルドだけでは得られなかったものを得ていく。
その過程は、ロボットではあるものの、人の成長物語と芯は変わらない。
まーとりあえず、マギーの魅力が物語の魅力の大きな要素であることは確か。
美少女ロボットの自分探しの旅。
この言葉にぴんときたら、読んで損はない。
オタクだけどコンピュータの天才が、自分好みの理想の女の子のロボットを作っちゃいました。
悪く言えばそういう物語でもある。
下手すれば気持ち悪くなりそうだが、マギーの純真さ、そしてマギーの成長物語にしたことで、そういうのがなくなっている。
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