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ファンタジー 書評

【ブックレビュー】雷の季節の終わりに(著:恒川光太郎)

更新日:

【作品情報】
 作品名:雷の季節の終わりに
 著者:恒川光太郎
 ページ数:305ページ
 ジャンル:ファンタジー
 出版社:角川書店

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 魂を掴まれる度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : とにかく魅力的な世界観にはまりたい人

 

■作品について

現世から隠れて存在する小さな町・穏で暮らす少年・賢也。
そこでは「雷の季節」があり、ある年の「雷の季節」に、賢也の姉が失踪してしまう。
そして姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取りつかれてしまう。
風わいわいに取りつかれてから、穏での賢也の生活は変わっていく。
果たして、賢也を待ち受けているものは・・・・?

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■良かった点

いやー、恒川光太郎さんですね!
恒川さんの作品、長編は幾つか読んでいますけれど、その作品群の中でも本作は個人的に上位に位置します。

春夏秋冬の四季の他に、もう一つの季節がある。その季節の名前が「雷の季節」
そして、物の怪「風わいわい」
このネーミングセンスだけで、果たしてどんな物語なのだろう、読んでみたいと思わせてくれる。

一件、おどろおどろしいホラー要素を感じさせるが、いざ読んでみると、児童文学をすら思わせる内容。
筆致に関しても、決して読む人を怖がらせるようなホラー文体ではない。
ただ、胸の奥に染みこんでいくような、どこか切ない情景を思い起こさせてくれる。
それが、恒川光太郎ではないか。

穏という村は、決して現実世界と切り離されているわけではない。
その端っこでわずかに現実世界とつながり、でも結びついているわけではない、絶妙な位置にある。
だからこそ、現実と異世界が混じり合うような不思議で独特な世界観が生まれるのだろう。
異世界なんだけど素直に入り込めるのは、現実世界を思わせつつも、少しずつ異なるバランスが絶妙なのだと思う。

「風わいわい」は優しい物の怪で、賢也を助けてくれる。
こんな物の怪だったら、自分にもおりてきてくれと思っちゃいますね。
物語は伏線回収もされ、登場人物達も魅力的であったり、狂気的であったり、飽きさせない。
結末も、良かった。

恒川作品の中ではかなり一押しの作品です。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

いやー、これは物語の世界観に浸ってくれればよいです。
まあ一つ言うなら、「夜市」は読んでおいた方が良いと思います。

 

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感想(1件)

 

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