【作品情報】
作品名:後宮の烏 6
著者:白川 紺子
ページ数:224
ジャンル:ファンタジー
出版社:集英社
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
物語が一気に怒涛の展開に度 : ★★★★★★★★★☆
こういう人におススメ! : 切なく優しいファンタジーが好き
寿雪の銀髪が、衆目にさらされた。その銀髪こそが、前王朝の血を引く証だった。
高峻が策をもって隠してきた寿雪の秘密がしられてしまったのだ。
同時に、柳寿雪は化け物を退治した美しき巫婆だという評判も城下に広がり始めていた。
だが寿雪本人の魂は何処かへとってしまい、その肉体に宿り動かしているのは“烏”だった。
中華幻想ファンタジー第六弾!
6巻です!
前巻で寿雪の心が体から離れて行ってしまい、どうなるの!?
というとんでもないところで終わってしまってからのこの6巻です。
いやー、待っていました。
寿雪の中に残っていたのは「烏」だけ。
果たしてどんなものかと思ったら、意外なことに子供みたい!?
「烏」も裏切られたりして色々と苦しい目にあい、人を信じることもできなくなっていて。
ずっと一人でいて。
だから、精神的に大人になり切れていないのかと思うとかわいそうにもなってくる。
ただ、そんな悪いやつではなさそう、というのは読んでいて一安心。
寿雪の心を取り戻すため、高峻は色々と手を尽くそうとします。
そこで鍵を握るのが衛青。
寿雪を戻すことができるのは、血のつながった家族だけだという。
今、その可能性があるのは衛青だけ。
その結果は・・・
寿雪の心を取り戻すことに尺を使わなかったのは意外でしたが、物語展開としてはスピーディでよかった。
そして、その後のほうがさらに怒涛の展開に。
今まで登場してきた人物たちが、一斉に動き出していく。
沙那賣が、千里が、いろいろな人たちが本当に今のために、といった感じで動き出してくのはなんかよい。
後宮の烏という作品自体が、どちらかというと「静」を思わせる作品だったし、それは5巻でもそうだったのだけど。
この6巻で一気に「動」になった気がする。
それはおそらく、寿雪の世界が外に広がったからだろう。
まだ問題が解決したわけではない。
それでも、物語は終盤に来ている。
次巻で完結。
終わってほしくないけれど、終わりは見たい。
ねえ?
いや、今回、短くない!?
あっという間でしたよ!