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SF 書評

【ブックレビュー】自生の夢(著:飛 浩隆)

更新日:

【作品情報】
 作品名:自生の夢
 著者:飛 浩隆
 ページ数:288ページ
 ジャンル:SF
 出版社:河出書房新社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 なんとなく哲学的度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 詩的なSF作品が好き

 

■作品について

著者、飛 浩隆の短編集。
SFでありながら詩的。
想像力をかきたてられつつ、想像することが難しい、そんな珠玉の7つの短編。

■良かった点

飛 浩隆の作品を読むのは本作が実は初めてであった。
そんな中で圧倒されたのが、最初に収められている『海の指』である。

【海の指】
 始まりは穏やかな、どこか小さな島を舞台にした物語かと思わせられる。
 しかし少し進んでいくと一変し、そこは凄まじい世界だった。
 異形の物が街を、土地を、世界を奏でていく。そうして変容していく世界、壊されていく世界、創造されていく世界。
 圧倒的なセンスオブワンダーで一気に読ませてくれる。
 ちょっと物悲しいラストも◎

【#銀の匙】
【曠野にて】
【自生の夢】
【野生の詩藻】
 天才詩人少女、アリス・ウォンを軸に据えた短編。
 連作、というと少し違うかもしれないが、全て繋がっていく。
 アリスの紡ぐ言葉の威力が世界にばらまかれた時、それはどのような影響を及ぼすのか。
 書かれていることは難しい、それなのになぜかなんとなく頭の中にその世界を描いてしまう。描かれる世界はおそらく読む人によって全く異なるような気もするけれど。
 またつながるという点では、「海の指」ともリンクするとは思わなかった。
 ただそれも、どこまでのこと? という疑問は消えないけれど。

書かれている、使われている言葉は分かりやすく読みやすい。
SFだから難解で読みづらいのでは。そういう疑問は読めば一掃される。
一方で、内容は決して平易ということはない。
最初の「海の指」は最も読んでいて分かりやすく、イメージも浮かんでくる。そう言う意味では、これを最初に持ってきたのは正解だろう。
以降の作品は徐々に手強くなっていく感じ。

私はそこまで文学造詣に深くないけれど、「なんかスゲーな」と感じることはできる。
そんな作品

■ここが改善できるともっとよかったかも?

やっぱりというか、決して「わかりやすい」という短編集ではないので、そのところは注意。
淡々とクールな感じではあるので、熱い物語を求めている人もご注意を。
まあ、タイトルや表紙から、そういう系統の作品と思うことはないでしょうけれど。

 

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