【作品情報】
作品名:豪球復活
著者:河合 莞爾
ページ数:416ページ
ジャンル:ミステリー
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
野球の本格度 : ★★★★★★☆☆☆☆
こういう人におススメ! : 野球とミステリ―が好きな人
東京ティーレックスの絶対エース・矢神大、失踪――。
日本中が大騒ぎになる中、ブルペンキャッチャーの沢本拓は、わずかな手がかりを頼りにハワイへ飛び、ホームレスになっていた矢神を発見する。矢神は記憶障害に陥り、ボールの投げ方を忘れてしまっていた。
何とか再起させたいと願う沢本、だが球団は矢神に戦力外を通告する。
そんなある日、矢神は自宅の地下で手書きのノートを見つける。そこには自分の投球技術に関する詳細な記録と、奇妙な告白が書かれていた。
矢神が昔投げて、人を殺した「消えるボール」は封印する、と――。
矢神の豪速球は復活するのか。そして、殺人の告白に隠された驚くべき秘密とは。
野球をネタにしたミステリー。
記憶障害により全てを忘れてしまった天才投手・矢神大。
かつて矢神のボールを受けていたブルペンキャッチャーの沢本拓。
この二人を軸に物語は進んでいく。
初めは矢神が記憶を取り戻し、再びプロ野球選手を目指すことを主として進んでいくけれど。
途中で矢神がかつて記したノートに過去の殺人の告白の記載があることから、ミステリーの要素も絡んでくる。
しかもその殺人方法が、「消えるボール」を使用して?
ということで、
矢神は記憶を取り戻してプロ野球選手に戻れるのか?
過去の殺人の真相とは何か?
「消えるボール」とは?
という野球と殺人事件の双方を追いかけることになる。
といいつつ、事件の方は単に矢神が記憶を失っているからであり、真相は聞いてしまえばトリックとかいうほどのものではない。
大事なのは、なぜその事件は発生したのか。
矢神は何を思って記憶を失ったのか、そしてまたノートに記したのか。
そして、記憶を失った矢神がどのようにまた生きる目的を得ていくのか。
そういうところだろう。
実際に野球をしている人には、矢神がノートに記した内容は頷けるものなのでしょうかね。
野球とミステリー(というかサスペンスか?)、二つが絡まりつつも読みやすく一気に最後までいけます。
楽しく読んでいたのですが。
最後になって、「え、そのネタなの?」と、思ってしまった。
それ使ったら、もうなんでも好きなように物語作れちゃうじゃんという。
最初からそういうネタだと言われていて物語が作られるならともかく、最後にそうだったと明かされてもねぇ。。。
あと、プロ野球に戻るためにかつての投球を取り戻そうとするが、フィールディング、投内連携、牽制、もろもろできないと投げるだけではだめだよ。
ページ数の関係ではしょったのかもしれないけれど。