【作品情報】
作品名:ブルーローズは眠らない
著者:市川 憂人
ページ数:329ページ
ジャンル:ミステリー
出版社:東京創元社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
本格トリック度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 本格ミステリー好き
実現不可能と言われている「青いバラ」
その青いバラを研究者と牧師の二人がほぼ同時期に栽培したと発表したことから事件は始まる。
密室状態の温室で発見された、首の切断された遺体。残された血文字。
火事の焼け跡から見つかった謎の手記。
過去と現在、複数の視点が切り替わり事件は不可思議な様相を見せていく。
密室のトリックは? 犯人は誰なのか? なぜ、このような事件が起きたのか・・・・?
■関連レビュー
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作り方というか、読ませ方が上手い。
過去と現在を行き来しながら物語が徐々に交錯していく手法はしばしばみられるが、果たして誰が誰なのだろうか? これはどういうことなのだろうか? そう思いながら続きを早く読みたいと思わせられる
特に子供時代、エリックが見たものは、巻き込まれた事件は何だったのか。気になって仕方ない。
それらの伏線が最後に回収されて全ての謎が解明されるのは、やっぱり心地よい。
もちろん、色々と怪しいところ、腑に落ちないところがあって、それを元に事件の全容を推理することも可能。
自分も、全容解明なんかはできないけれど、「こういう方向性なんじゃないか?」と考えながら読み進められ、ミステリーをある程度読んでいる人ならなんとなく想像できるレベルではなかろうか。
物語の舞台が異国(あえて特定の国名は出されず、架空の国設定?)だが、登場人物の名前が外国人な感じなだけで、特別な外国感はなく、読む分にも苦労するようなことはない。
事件を彩る登場人物、マリアと蓮のコンビは良い味を出しており、他の警察署の警官との関係性も良い。登場人物が分かりやすく魅力的だと、それだけで読みやすくなるものである。
個人的には好きな作風なので、次回作も楽しみにしたい。
真犯人の動機が正直なところ理解できなかった。なんで、そんなことをしたの? と。
あと、トリックは説明されて理解したが、これまたなんでわざわざこんなことを、というのが理解しづらい。本格ミステリはトリックありきな部分が多分にあるのはわかっているが、さすがに弱すぎるかなと。
とはいえマリアと蓮のコンビの作品はもっと読んでみたいと十分に思わせてくれる出来でした。
価格:1,800円 |