「マリア様がみてる」 一覧

  ～　煤汚れた頬に　～     　夕暮れ時の薔薇の館。 　卒業まで一ヶ月を切り、少しずつ館内の整理をしていた。学校に来る機会そのものが少なくなっているので、来たときにや ...

  ～　貴女に満たされて　～     　梅雨の中休みとでも言うのだろうか。久しぶりに雨がやみ、晴天とまではいかないまでも、一応、太陽も顔を出している。こういうとき、湿気は ...

  ～　生ぱふ２　～     　三奈子と衝撃の『生ぱふぱふ』事件以降、祥子と三奈子が一緒にいる時間はさらに増えていた。しかし、さすがに『生ぱふぱふ』はあの日以来、実施はし ...

  ～　これでも恋する乙女たち　～     　江利子は蓉子に恋していた。 　中学一年で初めて会ったときは、経緯などもあってあまり良い印象を受けなかったけれど、一緒に委員会 ...

  ～　一番幸せな朝　～     　由乃さまとの交際が始まってから既に一か月以上が経過した。私たちの仲は他の人には秘密にしつつ、順調に進んでいる、と思いたい。 　というの ...

  ～　ヒメゴト　～     「ニジョーさ、何かいいこと、あった？」 「……へ？　何で？」 　中学時代の友人とお喋りしているファストフード店内。不意に、そんなことを尋ねら ...

  ～　私の鼓動　～     　おかしい。 　こんなのは絶対におかしい。 　聖は一人、悶々としていた。 　頭を悩ましているのは一人の後輩。 　聖よりも背が高くて、剣道が強 ...

  ～　驚きと喜びと　～     「なんでこんな日にアンタの凸を見てなきゃなんないのよ」 「バタ臭い顔を見せつけておいてその言い草はなに？　お腹いっぱいになるからやめてち ...

  ～　当てっこ　～     　このところ、どうにもふと"あのコト"が頭に思い浮かんでしまう瞬間がある。それ即ち、江利子にキスされたときのこと。 　いや、あれは別にキスな ...

  ～　５０％５０％　～     「あぁ～、眠いぃ」 　隣の席でだらしなく机に頬をつけている光を見て、乃梨子は肩をすくめる。 　午前中の講義が終わり、これから昼休みという ...