【作品情報】
作品名:暴虎の牙
著者:柚月裕子
ページ数:504
ジャンル:エンタメ
出版社:KADOKAWA
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
完結にふさわしい度 : ★★★★★★☆☆☆☆
こういう人におススメ! : 『孤狼の血』シリーズ好き
博徒たちの間に戦後の闇が残る昭和57年の広島呉原。
愚連隊「呉寅会」を率いる沖虎彦は、ヤクザも恐れぬ圧倒的な暴力とそのカリスマ性で勢力を拡大していた。
広島北署二課暴力団係の刑事・大上章吾は、沖と呉原最大の暴力団・五十子会との抗争の匂いを嗅ぎ取り、沖を食い止めようと奔走する。
時は移り平成16年、懲役刑を受けて出所した沖がふたたび広島で動き出した。だがすでに暴対法が施行されて久しく、シノギもままならなくなっていた。
焦燥感に駆られるように沖が暴走を始めた矢先、かつて大上の薫陶を受けた呉原東署の刑事・日岡秀一が沖に接近する…。
『孤狼の血』シリーズ完結編。
シリーズ3作目にして完結編。
どういう形になるのかと思ったら、過去の大上が関わった事件から、現在の日岡につながっていく。
その中心にいるのが、沖虎彦。
ヤクザも恐れずに噛みついていく暴力性とカリスマで若者を率い、「呉寅会」の名のもとに広島で天下をとろうとしている男。
暴力団との抗争につながってくれば、大上が当然ながら動いてくる。
子供同士の喧嘩ならまだしも、暴力団との抗争である。
自分の思いから暴力団とぶつけあおうと考えたり、沖と実際に話してどうにか沖を食い止めようとしたり。
と、大上中心のように書いたけれど、物語はあくまで沖虎彦の物語である。
どのような幼少時代を過ごして虎彦という男が形成されたのか。
どんな仲間とどんな世界を作ろうとしたのか。
そして過去からとんで日岡のいる現在、沖はどうなったのか。
何が変わったのか。
圧倒的な暴力のもと、いつしか間違った方向に突き進んでいく虎彦。
かつての親友も、様々なものを失い、行きつく果ては。
『孤狼の血』シリーズ完結編なのだが、あまりそういう感じはせず、あくまで沖虎彦の物語だった。
物語に熱中させていく展開はさすが。
一気に読ませてくれる。
大上も日岡もなんか中途半端だったな。。。
何がやりたかったのか。
うーん。