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エンタメ 書評

【ブックレビュー】イクサガミ 神(著:今村翔吾)

更新日:

【作品情報】
 作品名:イクサガミ 神
 著者:今村翔吾
 ページ数:480
 ジャンル:エンタメ
 出版社:講談社

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 終わりの納得度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : シリーズ読んで来た人

■作品について

最終決戦、開幕。
東京は瞬く間に地獄絵図に染まった。
血と慟哭にまみれる都心の一角で双葉は京八流の仇敵、幻刀斎に出くわしてしまった。
一方の愁二郎は当代最強の剣士と相まみえることに――。
戦う者の矜持を懸けた「蠱毒」がとうとう終わる。
八人の化物と、少女一人。生き残るのは誰だ。

■良かった点

「蠱毒」の終了。
東京に入った9人が織りなす最後の殺し合い。
と同時に、それぞれが死を賭して戦う、その人が持つ人生を描いた巻でもある。
ただ、金を手にすればよいわけではない。
ただ、生き残れば良いだけではない。
それぞれが、譲れない矜持をもって戦っている。
だからこそ、戦いを避けて逃げるわけにはいかない。
誰かを見捨てて逃げるわけにはいかない。
それ即ち、それまでの自分自身を否定することになるから。

一人、また一人と「蠱毒」から退場していく剣士たち。
だけど彼らは皆、その生と戦いに納得して死んでいったのではなかろうか。
1巻の中で9人(まあ、愁二郎と双葉はそれまでに描かれているものもあったけれど)を描いているので、一人一人が短く感じる部分もあるかもしれない。
また9人以外、「蠱毒」の主催側の話もあったりするので実際はそれ以上。
その辺が少し物足りなく感じるかもしれない。
この人の話をもっと読みたい、的な。
だけどそれは、それだけ物語に、人に思い入れを描かせているということで、想像させるくらいがちょうど良いのかもしれない。

スピード感あふれる展開と戦闘は変わらず。
一気にラストまで読ませてくれます。
ベタな展開かもしれないけれど、こういう作品はそれで良い。

ただのバトルものというだけでなく、歴史モノとしても読ませる部分があるのもまた良いですね。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

必殺技とかはかなり、アレというか無茶というか。
さすがにやりすぎ感というかで、そこで冷めてしまう部分があるかもしれない。

 

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