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ファンタジー 書評

【ブックレビュー】利き蜜師物語4 雪原に咲く花(著:小林 栗奈)

更新日:

【作品情報】
 作品名:利き蜜師物語4 雪原に咲く花
 著者:小林 栗奈
 ページ数:240ページ
 ジャンル:ファンタジー
 出版社: 産業編集センター

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 やさしい世界度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 心温まるファンタジーが好き

 

■作品について

前巻でちょっと衝撃的な結末を迎えてのこの最終巻。
まゆは利き蜜師になるべく認定試験を受けるためハオプトシュタットへ。そこで、利き蜜師協会の裏の闘争に巻き込まれてカガミノへ戻ることになる。
冬のカガミノでは奇病・トコネムリが流行り出して村人たちが罹患し始める。
看病にあたるまゆたちの前に姿を見せる、世界を支配しようとする王。立ち向かうまゆと仙道。

その結末は・・・・

【関連レビュー】
利き蜜師物語 銀蜂の目覚め
利き蜜師物語2 図書室の魔女
利き蜜師物語3 歌う琴

■良かった点

最後まで、人が人のことを想う、優しくあたたかい世界であった。
おそらく世界観を大切にしたのであろう、世界の王との最終対決も、もちろん激しいものではあるのだがそれはあくまで内面的なものであり、剣と魔法でバトル! なんてものではない。
気持ちであったり、思いであったり、そういうもので戦っていく。

仙道のことを思い、仙道を助けたくて過去見をするまゆ。
何が仙道にとって幸せなのか。
辛いことがあろうとも、今を生きている自分たちこそを信じて行動するのが健気。

ネタばれになるのであまり細かいことは言わないが、最後の方はちょっと切なく、だけどほっこりと温かくなる、そんなラスト。
王道ファンタジーでありつつ、意外とこういうファンタジーは少ないのではないだろうか。
始まりから終わりまでまさにファンタジー。
そういう作品が少なくなっている昨今だからこそ、手に取ってみて感じて欲しい。

あと、最後にちょっとだけ恋愛要素?
あの人とあの人がくっつくのね、みたいなのは、ある意味想定通りではあったけれど、細かな恋愛描写が無いのは良い。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

前巻の終わりでは、まだもう少し続くかと思ったのだが、意外とあっさりと終わってしまった。
ちょうどいいといえばちょうどいいのかもしれないが、まゆや仙道のその後をもう少し描いて見せてくれたも良かった気はする。
ハオプトシュタットでの認定試験のくだりは結局、必要だったのか? 急ぎ終わらせた感が強いかな。

 

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