【作品情報】
作品名:君と時計と雛の嘘 第四幕
著者:綾崎 隼
ページ数:352ページ
ジャンル:SF・ミステリー
出版社: 講談社
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
大団円度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 前の巻まで読んできた人
何度も何度も好きな人の死を目にして、過去に飛ばされ、やってきた「最後のループ」
ここを逃したらもう戻ることはできない。
そんな崖っぷちの世界だというのに、最も頼りになる千歳がいなくなってしまった。
時間遡行を断ち切るためには残酷な決断をする必要がある。
果たして、綜士達の選んだ結末は・・・・?
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これまで三巻に渡って続いてきた悲劇、タイムリープもいよいよ今巻で完結する。
詰んでいるとしか思えない三人のタイムリーパーとそのループする原因。
頼りになる千歳の消失。
そんな状況でいかにしてタイムリープを終わらせるのか?
絶望的な状況の中で希望の光を与えてくれたのは、やはり千歳だった。
だがその希望の光は、残酷なものでもある。
皆を生かすためには一人を犠牲にしなければならない、要はそういうことである。
大勢が助かるとしても、犠牲になる一人はたまったものではない。だけど、それが最適解。
自分がこの立場にいたら選択できるかというと、自信は無い。
彼らが最終的に行った決断、そしてそこから辿り着いたラストは大団円、といえるのかどうかは微妙なところではあるが、切ないハッピーエンドといえる。
そしてタイトル通りに分かる、「雛の嘘」
彼女は何を思い、何の嘘をついてきたのか。
この巻で語られた「プロローグ」こそが全ての始まりであり、全てを持っていってしまう感じ。ここから一巻につながるわけで、物語自体も円環なのである。
タイムリープを題材にしたSFミステリーでありつつ、後半の三巻・四巻で切ない恋愛要素を大きく絡め、でもそれをうまいこと消化している。
時間モノのSF、作品は色々あるけれど、ミステリー要素を強めにしつつ少し角度を変えたタイムリープ作品として成功したといえるだろう。<br>
四巻というそれなりの長さの物語であるが、どの巻でも次を読ませたくなる展開、幕引きを見せて、一気に読ませてくれる流れはとても良かった。
ラノベ的ではあるが、それ故に文章も読みやすく四巻とボリュームはあるように思えるが最初から最後までスピード感を持って読み進めることが出来る。
時間ものが好きならお薦めだ。
やっぱり、雛美がね。
切ないね。
価格:810円 |