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エンタメ 書評

【ブックレビュー】最後の医者は桜を見上げて君を想う(二宮敦人)

更新日:

【作品情報】
 作品名:最後の医者は桜を見上げて君を想う
 著者:二宮敦人
 ページ数:416
 ジャンル:エンタメ
 出版社:TOブックス

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 落涙しそう度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 死生観を考えたい人

 

■作品について

七十字病院には、特徴的な医者が二人いる。
一人は福原、副委員長にして、どんな病気でも治そうと治療に全力を傾ける。
一人は桐子、病気と向き合い、死すらも肯定して<死神>と呼ばれる。
対立する二人と、死を前にした患者。
何が正しいのか、考えさせられる医療ドラマ。

■良かった点

やっぱり医療ものっていうのは、ぐっときます。
登場人物としては、腕が立ち、患者をどうにか生かそうと情熱を燃やす福原。
対して、医者の考えを押し付けるのは自己満足だとばかりに、患者に対して死を選択肢として提示する桐子。
非情に分かりやすい対立構造である。

余命いくばくもないことが分かっている患者。
あるいは、余命を伸ばすためにどのような治療を選ぶべきか悩む患者。
辛く苦しい治療末に助からなかったら?
そういう相手に対し、何を言うのが正解なのか、誰にも分らない。

高額の治療費、辛い治療、治るか分からない恐怖、それに耐えることを患者に強いる資格が医師にあるのか。
なんとも難しいですよね。

周囲の人間が何を言おうと分かるはずがないのでしょう。
自らがその立場になって初めてわかるけれど、分かった時にはもう遅い。
だって普段、そんなこと考えないから。
自分が健康な時に、死ぬかもしれない病気にかかった時にどうしようかなんて本気で考えないから。

病院、医者を舞台としていますが、描きたいのは死と、それに対する向き合い方なのでしょうか。
どのように死に向かうのか。
死を迎えるまで、どう生きるのか。

自分だったらどうなるか。
恐怖しかないような気がする。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

3つの話が入っているわけですが、全て病状が悪く、救いがないのが辛い。
続編があるので、それによるのだろうか。

 

最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)

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感想(2件)

 

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