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ミステリー 書評

【ブックレビュー】友達以上探偵未満(著:麻耶 雄嵩)

更新日:

【作品情報】
 作品名:友達以上探偵未満
 著者:麻耶 雄嵩
 ページ数:280ページ
 ジャンル:ミステリー
 出版社:角川書店

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 百合度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : ライトだけど本格ミステリーが好き

 

■作品について

三重県の伊賀野高校の放送部に所属する伊賀ももと上野あお、二人はともに探偵を目指すミステリー好き。
ももは明るく猪突猛進系、あおはクールで知的派。
そんな二人が巻き込まれる殺人事件にて、二人はどのような活躍をするのか。

【伊賀の里殺人事件】
 地元のミステリーツアーで発生した殺人事件。
 ここのテーマは「見立て殺人」か?

【夢うつつ殺人事件】
 夢うつつの状態で耳にした殺人計画。
 その話を聞き、そして実際に発生してしまった殺人事件。なぜ、発生してしまったのか。そして謎の解明は?

【夏の合宿殺人事件】
 ももとあおの中学時代、出会い、そして初めての殺人事件。
 二人とも探偵? それともホームズとワトソン?

■良かった点

まずはなんといってもキャラクターが立っていて魅力的という点でしょうか。
主人公である女子高校生探偵(志望)の二人、ももとあおのコンビが生き生きと描かれており、その二人の言動を追っているだけでも楽しめる。
また、もう一人はももの兄である空。警察官という都合の良い設定だが、この3人の関係性や役割が読んでいる側には非常にしっくりくるのだ。
特にももは本当に探偵になりたいのかと思うような、単に探偵に憧れているだけのミーハーに見えるが、それが物語に動きを与えている。クールなあおとの対比は分かりやすいキャラクター造形だけど、だからこそはっきりしていて良い。

もちろんキャラクターだけではない。
殺人事件の謎は本格で、きっちりと考えさせられるし論理的。
読みやすさともあわせて、本格ミステリに手を出す本としても薦めやすいし、ミステリを色々と読んできた人でも楽しめる。
ミステリとしては、「誰が殺したのか?」が謎の主眼で、本編で全ての情報が提示された後に、「誰が犯人か考えてみてください」と入る、いわば【読者への挑戦】であるが、これもそこまで堅苦しいものではなく、良かったら考えてみてください、というスタンスなのが軽くて良い。

謎は本格だが、文は軽妙で、ちょくちょく入る比喩表現が笑わせてくれる。
そこは、もものキャラクターの強さが大きい。

また、麻耶さんの作品だから単純には終わらんだろうと思ったら、やはり最後の中編では単なる謎解きから、あおの内心に切り込んでいく。
それを読んでからもう一度頭から読むと、あおの行動の真意が分かるという構成もこれまたニクい。
とはいっても、他の多くの麻耶作品のように後味悪いものではないのでご安心を。
むしろ、あおの人間くささが分かるというか、『もものこと、好きすぎるんじゃない?』と思わせてくれるくらい。
そう、何気にこの作品は百合度も高く、そっちの意味でも楽しめる。
(注)その素養のある人が読んだら妄想いけるということで、あからさまな百合描写ではないです!

キャラクター性もよく、シリーズとして次も読みたいと思わせてくれる楽しい一冊だった。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

麻耶さんらしい後味の悪さというか毒というかを期待していると、それはさほど強くないです。
でも、この作品はそこまでのものがないほうが良いです。
改善っちゅうか、やっぱりこのコンビの作品がもっと読みたい。

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