【作品情報】
作品名:101メートル離れた恋
著者:こまつれい
ページ数:280
ジャンル:SF、エンタメ
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
なんだかんだいってSFよ度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : SFが好きで百合も好きでTSも好き
男子高校生の浅田ユヅキがある日目覚めると、女の子の人形の姿になっていた!
人形の名はセブンス。
それは、一流の魔法使いであり人形師である朝霧キョウコが作り出した、世界最高クラスのスペックをもつレンタルサービス型の美少女オートマタ。
その役割は、依頼者との会話、家事、警備、さらに性行為にまで及ぶ。
セブンスになってしまったユヅキは、さまざまな男性の性処理のためにレンタルされ、心をすり減らす日々を過ごす。
がて一ヵ月以上が過ぎ、精神的に限界を迎えつつあったとき、セブンスは女性の依頼者である高校生の少女イチコに出会う・・・
きました、SF×百合!
さらに、男子高校生が気が付いたら美少女オートマタに!?
ということでTSも!?
なーんて思って読まされていると、これはまさにSF!
最後に、そう持っていかれるかー、と。
百合を期待している人、TSを期待している人は、もしかしたらちょっと違うと思うかもしれない。
でも、これこそ! と思うかもしれない。
それくらい、なかなか見事な出来栄えになっている。
主人公は、美少女オートマタのセブンス。
しかしその中身は、本来なら男子高校生だったはずの浅田ユヅキ。
美少女転生!?
なんて甘いものではなく、オートマタに求められるのは会話や家事だけではない。
女性型のオートマタであれば、男性相手の性処理も大きな仕事。
というより、それが結構メインだったりするわけで。
男子高校生の心を持ちながら、美少女オートマタとして男性の性の相手をするというのはね。。。
そんな生活が一か月も続くなんてね。。。
しかしそこで出会ったのが新たな依頼者の娘、イチコ。
イチコの相手をすることになったセブンスは、あっという間にイチコに惹かれていく。
一方でイチコも、まったくオートマタらしくない、というか人間のようなセブンスに惹かれていく。
実はイチコ、いじめられていて登校拒否でずっと家にいる。
傷ついた二人が出会って惹かれるのは必然なのか。
二人の関係性が、小気味良い会話で築き上げられていくのが読んでいても楽しい。
ほんの数日の間で一気に仲を深めていく二人だが、それで単純にハッピーエンドになるわけもなく。
その先の展開こそまさにSFの妙。
いや、楽しませていただきました。
二人のこの先が読みたい!