書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

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【マリみてSS(三奈子×祐麒)】いつでもどこでも最上級の愛をあげる

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~ いつでもどこでも最上級の愛をあげる ~

 

 

 すべての講義が終わった午後、珍しく皆の予定が空いていたので、久しぶりに四人そろってお茶を飲みに行くことにした。静かで落ち着いた感じの喫茶店、紅茶とスコーンが美味しいと皆の間でも評価が高い。四人用のテーブルに腰を下ろして面々を見てみれば、おさげの髪をほどいてストレートにしている由乃、相変わらずふわふわの志摩子、ショートカットの似合う真美。
「なーに祐巳さん、じろじろと見て」
「え、そんなにじろじろ見てないよ」
 由乃に突っ込まれて首を振ると、シュシュで束ねた髪が揺れる。さすがに大学生となってからはツインテールはやめている。
 四人そろってリリアン女子大に進学したのは偶然だが、それでも仲の良い友人が多くいるというのは心強かった。残念ながら蔦子だけは芸術系の大学に進んだためにいなかったが、そればかりは仕方がない。むしろ、自分の夢のために選んだ道を友人として応援したいと思っている。今でもたまにはメールして近況を伝えあっているし、離れたからといって友達でなくなるわけではないのだから。
 講義のこと、友人のこと、アルバイトのこと、美味しい食べ物のこと、そんなことをお互いに話し合う。同じ大学とはいえ学部や学科は異なるし、知らないことだって意外と多いから飽きることもない。そもそも、気の合う女の子の友達同士でお喋りがつまらないなんてことはないのだ。
「そういえば志摩子さん、この前、合コンに参加したんだって?」
「ええ、桂さんにどうしてもって誘われて……」
「それってもしかして、桂さんにダシにされたんじゃないの? 志摩子さんが参加するなら、男子だってレベルの高い人を連れてこられるだろうし」
 ちなみに桂もリリアンに進学しており、付き合いは続いている。特に、同じ学科に進んだ志摩子とは仲が良いようだった。
「そんなことないわよ、私も桂さんも一次会で帰ったし。あまり人が多くて騒がしいのは、ちょっと苦手で……」
「うーん、しかし、これは由々しき事態よ」
 ここで突然、由乃が腕を組んで唸るようにして言った。残りの三人は、きょとんとした感じで由乃に視線を向ける。
「どうしたの、由乃さん?」
「どーしたもこーしたもないわ、私たち花の女子大生となって数か月経つというのに、いまだに誰一人として彼氏の一人もできていないなんて!」
 握った拳をテーブルに置き、三人それぞれ順に目を向ける。
「そう言われても」
「わかっているわ、女子大だし、リリアンからの持ち上がりも結構多いし、ガツガツした子が少ないのも知っている。だけど、ちゃんと恋人を作っている人はいるし、この年代で恋愛しなくていつするってのよ」
「そういう由乃さんだって、具体的に活動してはいないでしょ」
「そ……それは、そうかもだけど」
 途端に声のトーンの落ちる由乃。
 確かに十代後半というこの時期、素敵な恋愛に憧れるのは不思議でないし、むしろ恋しているほうが普通なのかもしれないが、ここに集っている面々に今のところその手の話題は見当たらない。
 もしかしたら隠している人もいるのかもしれないけれど、少なくとも祐巳自身に浮いた話はないし、それで焦っていることもない。由乃も言っていたが、ずっと女子校という環境で育ってきたから周囲に男子がいないのが当たり前で、それゆえか素敵な男性に恋するということもなかった。もちろん、祐巳だって素敵な男性とお付き合いしたいという欲求が皆無というわけではないが、現在のところそこまで強く思うことはない。困っていることもないし。
「確かに、今の私たちにはハードルが高いかもしれないけど」
 志摩子は中学からだが全員がずっと女子校育ちで、肉食系でもない。先ほど、志摩子が合コンに参加したことをネタにしたが、そういう由乃や祐巳だって合コンに参加したことなど僅かにすぎない。それも、入学してすぐのことで、それ以降は参加できていない。参加したとき、がっついてきた男子がいて懲りてしまったのと、女子同士の方が気楽で楽しいというのが理由だ。
「それならば、一つ案があります」
 それまで黙って話を聞いていた真美が、ここで口を開いて皆の注目を集める。
「やはり、初心者の私たちはもっと入りやすいところから行くべきだと思うんです」
「と、いうと?」
「はい、幸いといいますか、私たちには祐巳さんがいます」
「へっ? 私?」
 思いがけず名前を出され、自分を指さす祐巳。
「祐巳さんには祐麒さんという同じ大学生の弟さんがいます。そして祐麒さんは私たちも知っており、祐麒さん自身もとても親しみやすい方です。祐麒さんのご友人であれば変な人もいないでしょうし、ここはひとつ、祐麒さんにお願いをしてみるというのはいかがでしょうか」
 お願いとは即ち、合コンのセッティングということか。
「そんなこと言って真美さんが祐麒くんに会いたいだけだったりして?」
 それに対し、冗談交じりに突っ込みを入れる由乃。
「いやいや、それはないでしょう」
 真美が応じる前に、思わず祐巳の方が否定の言葉を口にしていた。
 なぜって――
「そ、そうですよ、なんで、わわっ、私が祐麒さんにっ」
「いや、どもりまくって思い切りあやしいんだけど真美さん……」
「そんなこと、ありませんっ」
 焦る真美をからかう由乃、しばらくそんな感じで騒いでいるうちに、話題は別の方向へと転がって行った。
 そうしてやがて話にひと段落がついたところで、思い出したように志摩子が口を開く。
「そういえば先日、祐巳さんと三奈子さまが一緒に歩いていたのを見かけたのだけれど」
「え、お姉さまと?」
「なにその珍しい組み合わせ。まあ、たまにはそうゆう偶然もあるか」
「でも、二人とも凄く親しげに、楽しそうにお買い物をしていたように見えたけれど」
「祐巳さん、もしかしてたまたま出くわしたお姉さまに無理矢理付き合わされたのでは。本当にあの人は、大学生になって少しは落ち着いたかと思ったのに……そうゆう時は、遠慮なく断るか無視してくれて構いませんから」
「あ、違う違う、全然無理矢理とかそういうんじゃないから。一緒に買い物する約束していたの」
 まさか志摩子に見られていたとは思わなかったが、休日で人でも多かったから気が付かなくても仕方ない。むしろ、それなら志摩子の方こそ声をかけてくれればよかったのにとも思う。
「――え? それって、どうゆう意味?」
 眉をひそめる由乃。
「お、お姉さまと買い物の約束を……いったい、どんな弱味を握られているんですか、祐巳さんっ!?」
 困惑した表情から、急に真剣みを帯びた目をして身を乗り出してくる真美。自分のお姉さまのことだというのに、随分と酷いいいようだと思わず苦笑する。
「ちょっと真美さん、そんなんじゃないってば。三奈ちゃんとは普通に遊びに出かけただけだから」
「みっ……」
「三奈、ちゃん…………!?」
「いつの間に、そんなに三奈子さまと親しくなられたの?」
「仲良くなったのは最近のことだけど。三奈ちゃん、色々なこと知っていて話も楽しいし、意外と趣味も近い部分があって、でも全く同じじゃないから楽しめて」
「な、何がきっかけでそんな急接近を……?」
「ん? ああ、だって三奈ちゃん、祐麒と付き合っているから、それで」
「――――――――」
 祐巳が告げた瞬間、三人の動きと表情が固まる。
 そんな中、最初に動き出したのは由乃だった。動きは、まるで昔のロボットのようにぎこちないものだったが。
「え……と、え、今の本当? 祐麒くんと三奈子さまが、って……え、マジ、ちょっ」
「本当だよ。真美さんは知っていたでしょう?」
 と、話を振ってみると。
 普段は決して機敏とはいえない真美が、高速で首を横に振る。
「しっ、知らない知らないよ! え、何それっ、お姉さまそんなこと一言も言ってない!」
「そうなの? でも話を聞くと、もう2年前くらいから付き合っているらしいよ?」
「にっ……ねん……!?」
 絶句する真美。
「まあ、祐麒さんと三奈子さまが……あらあら」
 志摩子は志摩子で、よくわからない反応をしている。
「2年も……? え、何、祐巳さんも知ってて隠してたのっ?」
「違うよ、最近になって祐麒が家に連れてきて紹介して、そこで初めて私も知ったの。私も凄いびっくりしたけどさー、これがもう、見ているほう、話を聞いているほうが恥ずかしくなるくらいラブラブなの」
「信じられない……お、お姉さまが……」
「本当だよ、だって三奈ちゃんから聞いたもん。その、もう、二人はえっちとかもしているって」
 さすがに赤くなりながら言うと案の定、さらにざわめきたつ由乃たち。
「え、え、そうなの?」
「うん、聞いたし。さすがにこれ以上のことは、私からは言えないけれど……」
 人のエッチ体験の内容までを勝手に話すわけにはいかず、口を閉ざすと。
 正面の席の真美が鋭い目つきを見せながら口を開く。
「……祐巳さん。ちょっと、お願いがあるのですけど」
 あまりの迫力に、祐巳は断ることができなかった。

 

 四十分後。
「おーい、祐巳ちゃーん」
 ぶんぶんと元気に手を振って向かってくる三奈子に、祐巳も軽く手を振り返す。
「すみません、急に呼び出しちゃって」
「いいよー、丁度暇だったし。どっか遊びに行く? それともお買い物とか」
「あー、それなんですけど……」
 申し訳なさげに苦笑いしつつ肩をすくめる。
 三奈子はきょとんとしているが、その背後にゆらりと黒い影があらわれる。
「――――お姉さま」
「うひぃっ!? え、ななっ、真美っ!?」
 突然現れた真美の姿に飛び上がらんばかりに驚き、逃げようとする三奈子。掴まれた腕を振りほどこうとするが、今度は反対側に登場した由乃にも腕を掴まれてジ・エンド。
「え、何っ、由乃さん? ちょ、なんなのこれ」
「ふふっ、お姉さま……お話、聞かせていただこうじゃないですか」
「ひいーーーーーーっ!?」
 完全に目の据わっている真美に、心底慄きの声を出す三奈子。
 そのまま近くのファミレスに連行され、真美の尋問にあい、洗いざらい話すことを強要されたのはさすがに可愛そうだと思えた。
「――まったく、なんで教えてくれなかったんですか」
「そ、そんなこと言われても……なんか、真美にそういうこと言うの、恥ずかしかったんだもん」
「だもん、じゃありません。こんな大事なことを」
「でもでも、妹だからって、恋人ができたことまで報告しなくちゃいけないわけじゃないじゃない」
「そんなことありません、お姉さまに限っては義務です」
「なんでっ!?」
「まあまあ、真美さんも落ち着いて」
 延々と続きそうな姉妹喧嘩に、ようやく由乃が突っ込みを入れて止める。喧嘩といっても、ほとんど真美が文句を言い、三奈子が言い訳しているだけだったのだが、真美に色々と言われて恥ずかしがっている三奈子が新鮮で可愛いなと、祐巳は場違いなことを想っていた。
 まあ、祐巳だって真美にはとっくに言っているものだと思っていたし、真美が怒るのも分からない気はしない。
「いやー、それにしても祐麒くんが三奈子さまを選ぶとはね……これは盲点だったけれど、意外とお似合いかもしれませんね」
「そうね、祐麒さんなら三奈子さまの破天荒なところも受け止めてくれそうだし」
「あ、うん、祐麒くんね、いつでも正面から受け止めてくれるから。あ、でも、私だって祐麒くんのことをちゃんと受け止めてあげてるんだからね。昨晩だって、祐麒くんったらいつも以上に頑張っちゃって、沢山出しちゃって」
「ぶっ!!?」
 三奈子の発言に、オレンジジュースを飲んでいた真美が噴き出した。由乃と志摩子は顔を赤くして三奈子を見つめる。
「え、あの、それって三奈子さま……祐麒くんの、えと…………を?」
 大事な部分をモニョモニョと誤魔化しながら尋ねる由乃。
「あの、大丈夫なのですか? そういうのって気を付けないと、その……ねえ?」
「ね、ねえって言われても、わ、私はそーゆーのよくわかんないしっ」
 志摩子に振られて、祐巳も慌てて首を振る。
「分かんないって、カマトトぶって。だから、その、当然、生ではないんですよね?」
「ちょっ、由乃さん、な、ナマって……」
「うう、うるさいわねっ、わ、私だって言いたくて言っているんじゃないし!」
 きゃあきゃあと姦しい赤面女子をよそに、三奈子は涼しい顔である。
「あははっ、私もちょっと油断して、思い切り生で」
「おおおおおおねえさまっっ!!!」
「うわびっくりしたっ!? な、何よ真美ったらいきなり大声出して」
「は、破廉恥です、不潔です、そ、そんなの駄目ですっ!!!」
「だ、だって仕方ないじゃない、もうちょっと祐麒くんも我慢できると思ったんだけど」
「そ、そ、そういうことではなくて、そもそも外に出そうが危険性は変わらないんですよ、回避するにはきちんとひに」
「ま、真美さん、声大きいってば」
「えっ、あ、あぅ」
 由乃に窘められ、立ち上がり拳を振りあげて力説していたことに気が付き、真っ赤になって着席する真美。
 そんな真美の姿を、今一つ理解できないような顔して見つめている三奈子。
(――そりゃ確かに油断したけどさ、安奈と雅が面白がって飲ませすぎなのよ。祐麒くんも、注がれたらデレデレして調子に乗ってキャパ以上に頑張って飲んじゃうから、いきなり吐いちゃうのよ。倒れてきたのを受け止めた私に思い切りかけられて、私の方が被害者なのに、なんで怒られなきゃならないのよ、もーっ)
 内心、そんなことを考えているとは、この場にいる誰も気が付くはずもない。
「ま、まあ、三奈子さまと祐麒くんがラブラブなのは十分に分かりました」
「えー? まあ、そうなんだけどねー」
 由乃の皮肉に、照れ笑いで応える三奈子。
「でも、祐巳さんといきなり仲良くなったのには驚きましたけど。呼び方とか、仮にも三奈子さまは先輩なのに、あんな、その」
「そう? だってもうリリアンも卒業したし、彼氏のお姉さんだし、年も近いし、変にかしこまられてもねぇ。これから長い付き合いにもなるし、仲良くやりたいから、祐巳ちゃんとは」
「私も最初はどうかと思ったんだけど、なんかお話ししていたら思いのほか違和感なくて。ホント、三奈ちゃんは仲の良いお姉さんって感じで、ねー?」
「ねーっ?」
 二人して顔を見合わせ、揃えたように言う。
 そんな光景を目の当たりにして、真美が体をガタガタと震わせる。
「おおおお姉さまがそんな嘘よ嘘に決まっているわそもそもよりによってなんで祐麒さんと祐麒さんは私がががが」
「ちょっと、しっかりしてよ真美さん?」
 壊れてしまった真美の肩を掴んでゆする由乃。
 ガクガクとしばらく揺すられた後、はっと目を見開いた真美は、なにを思いついたのか三奈子ににじり寄った。
「お姉さま、一つ、可愛い妹からのお願いがあるのですが……」
 お願いというより脅迫に近い迫力で言われた三奈子は、当然のことながら断れるはずもなかった。

 

 四十分後。
「――っと、三奈子さん」
 三奈子の姿を見つけた祐麒が軽く手をあげて歩いてくる。
「ごめんねー、急に呼び出しちゃって」
「別に大丈夫ですけど、この後バイトだから、あんまり時間がなくて」
 二人が待ち合わせをしたのは、ちょっとした公園の中。既に随分とあたりは暗くなっているため、人の姿は少ない。
「どうしたんですか、今日は急に?」
「え? えっとー、そのー、あ、祐麒くんに会いたくて。じゃ、駄目?」
「構わないですけど……俺も、三奈子さんに会えるのは嬉しいし」
 わずかに照れた様子を見せながら、そんなことを言う祐麒。その台詞を耳にして、三奈子は嬉しそうに微笑む。
「本当? 私も嬉しいな、アルバイト前のちょっとの時間に会いに来てくれて」
「いや、俺もバイト前に会えたら、やる気が出るし」
「でも大丈夫? 昨日は祐麒くん凄かったじゃない」
「あ……あぁ~、すみません、昨晩は三奈子さんに盛大に迷惑をかけてしまい」
「祐麒くんのだったら全然、迷惑じゃないから。本当だよ?」
「いや、さすがにアレはまずいし、今後は気を付けます……」
「まあ、それはそうだね」
「……と、そろそろ行かないと」
「そか、ありがとね、急に」
「いえ、バイト先もここからなら遠回りでもないし」
「あーっと、ちょっと待って祐麒くん」
 行きかける祐麒の腕を掴んで引き止める三奈子。
「アルバイト行く前に、もっとパワーあげるねっ」
 言いながら祐麒の肩に手を置いて軽く背伸びをすると、ちゅっ、とキスをする。
 と、その瞬間。

「きゃっ! ほんとにキスしたっ!!」
「ちょっ、由乃さん、声、声っ!?」
「あ、あ、あががががががっ……!!」
「真美さん、どうしたのかしら。何か様子が変だけれど……」

 そんな声がすぐ近くの茂みの奥から聞こえてきた。
「って、今の声、祐巳っ!?」
 祐麒が形相を変えて茂みに向けて叫ぶと、ばつの悪そうな顔をしながら祐巳、そして由乃、志摩子、真美が続いて姿を見せた。
「な、なんでお前がここに、っていうか由乃さんたちまでっ!?」
「あ、あはは、ごめんね祐麒くん。実は……」
 由乃たちに二人が付き合っていることがバレたものの、本当かどうか信じるためにも証拠を見させてほしいと言われ、急遽呼び出したことを三奈子は告げる。
「いやー、でも、キスまで見せてくれなくても、ねえ?」
 どこか言い訳がましく口を開く由乃だったが。
「だって、いつも通りの様子を見せてくれればいいって言ったから……」
 とは、三奈子の弁。
「――え。じゃあ、いつもあんな感じなんですか?」
「あ、そんなことないよ」
「で、ですよねー、さすがに」
「さすがに皆が見ている前だから、いつもより抑えたよ。さすがに、私にだって恥じらいってものはあるしね」
 と、なぜか誇らしげに言う三奈子。
「マジですか…………」
「てゆーか……祐麒、いつもあんなこと言うんですか……ぷぷっ……」
「こ、こら祐巳、忘れろっ!! い、今のは、そう、メールで知らされていたから演技をしたわけで」
「え、祐麒くん、そうなの? 今の嘘だったの!?」
「あ、ち、違います三奈子さん、そーゆーわけじゃ、あの」
「確かにこりゃ、祐巳さんの言う通りというか、それ以上だったわね……というわけで真美さん、素直に諦めた方がいいわよ」
「え。ななな、何のことですか、私は別にその」
「あ。それより祐麒くん、アルバイトは?」
「そうだ、やばい、もう行かないと!」
「祐麒、パワーチャージはもういらないの?」
「うるせー祐巳、あとで覚えてろっ!?」
「そうだよね、いつもより充電時間短かったもんね。それじゃ……」
「って、い、いいですから三奈子さんっ!?」
「えー、嫌なの?」
「い、嫌じゃないですけど、皆見ていますし」
「あ、そうか。じゃあ、悪いけどみんな、ちょっと目を閉じててくれる?」
「はーい」
「とか言いながら、絶対に薄め開けてるだろっ!? あの、また今度貰いますからっ!」
「――――あ、祐麒のやつ、逃げた」
「何よ、だらしないわねぇ」
「うぁ、よく考えると私、祐麒くんとキスしたところ真美に見られたっ!? 恥ずかしいっ!」
「遅っ!?」
 こうして。
 祐麒と三奈子を取り巻く騒がしくも幸福な日は、絶えることなく続いてゆくのであった。

 

 

おしまい

 

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