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【マリみてSS(色々・ネタ)】小ネタ集27 福沢家の日常 バレンタイン編①

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~ 福沢家の日常 バレンタイン編 ① ~

 

長女の場合

「バレンタインねぇ……」
ほとんど自宅で引きこもって執筆活動している景にしてみれば、バレンタインの浮かれようはどこか遠くの出来事のよう。
とはいえ、やはり長女として、他の姉妹が皆、祐麒にチョコレートをあげているなか、何もあげないというのもいかがなことか。
そうして、無事に用意することが出来たのだが。
「やばい……なんか、凄く、恥ずかしい」
一人、室内で赤面する景。ただ、弟にチョコレートをあげるだけなのだが、それが無性に恥しい気がする。
いや、何を恥しがる必要があるのか。別にやましい気持などない。緊張するなら、開き直ってしまえばいいのだ。
そこでいいことを思いついた景は、クローゼットを漁り、服を取り出して着替え始めた。それは、アニメ化もされている景の作品のキャラの衣装だった。
何かの記念で貰ったのだが、着る必要性もなく埋もれていたもの。異世界に入ったヒロインが身につける衣装だ。
文庫のイラストレーターに描かれたものだが、露出度が高くて萌え要素の入った衣装だ。身につけるのは恥しいが、誰が見ているわけでもない。
作品の中で、異世界の中でヒロインが主人公にバレンタインチョコを渡すシーンを描いたが、あれはなかなか好評だった。そのノリだ。
景が服を脱ぎ、コスプレ衣装に着替え始める。と、家の中をどたばたと走りまわる足音が響いてきた。
「もう……また、誰か騒いでいるのね」姉妹の誰だろうか。菜々か、笙子か、あるいは令あたりか。なんて考えていると、部屋の扉が開いた。
「あ、景姉さん」祐麒が現れて、景の動きが止まる。コスプレ衣装はまだ着ている途中で、胸が丸出し状態のままだった。
「ひゃっ!? ゆ、祐くんっ」慌てて胸を隠す景だが、それを無視するように室内に祐麒は足を踏み入れ、景に迫ってくる。
「景姉さん、お願いだから、中に入れさせてっ」
「ええっ!? い、いきなりそんな、あああの、か、構わないけれど、その、やっぱりいきなりじゃなくて最初は優しく、私だって初めて」
「わ、やばい、急がないと」と、祐麒は景の声も聞かず、そのまま景の体を押して……クローゼットの中に入り込んだ。
直後、景の部屋の扉が開き、誰かが入って来た。「あれ? いない?」、「景姉さんの部屋に逃げたんじゃ?」
そんな声が室内をうろつくのを、クローゼットの中で景は祐麒に押し倒される格好で、硬直したまま祐麒の息遣いを間近に聞いていた。
広いクローゼットだが、二人も入れば苦しいし、服も沢山ある。密着する格好で、しかも景は半裸で、祐麒の手が胸とお尻を掴んでいる。
「ごめん、景姉さん、ちょっと追われてて……」どうやら姉妹から逃げてきた祐麒は必死のせいか無意識なのだろうが、景は違う。
頭に血が上り、くらくらしてきて手をのばすと、クローゼットの扉を押し開いてしまった。中から転がり落ちる二人。
「あーっ、け、景お姉ちゃんとお兄ちゃん!」、「な、なんて格好で二人……!」、「ち、違うの、コレは祐くんがいきなり入れさせてっていうからっ」
こうして、景はまたもトラウマを一つ抱え、それを糧に新たな作品を生んでいくのであった。。。

 

次女の場合

バレンタインデーが昔と比べて変わってきたとはいえ、やはりチョコレートをあげることに変わりはない。
学校に行ったら、同僚の男性教師達に義理チョコを配り、生徒から「センセー、チョコちょうだい」なんて言われてあしらって。
女子生徒が想いのたけを込めたチョコレートを、男子生徒に渡しているシーンなんかもときどき見かけたりして。
そんなことをしながら、蓉子は特に祐麒に目を光らせていた。
何せ祐麒だ、あんなに可愛くて優しくて素直で魅力的な男子生徒が、他にこの学校にいるだろうか。いや、いようはずもない。
そうとなれば、女子生徒から大量のチョコレートをもらうかもしれない。調子にのって、告白する女子もいるかもしれない。
なので蓉子は、一日、どうにかして祐麒のことを守らなければならない。
「うぅ、なんで今日に限って、こんな手伝いとか、委員会の仕事が押し寄せてくるんだ?」
「ごめんね、福沢くん。手伝ってもらっちゃって」学校なので、名前で呼べないのがいつもながら口惜しい。
今は昼休み、この時間がやはり危ない。蓉子は用事をでっちあげて、昼休みとともに祐麒を教室から引っ張り出したのだ。
ちなみに放課後はすぐに家路につくよう、別の買い物を頼んである。店の場所と閉店時間から、授業終了してすぐに学校を出ないと間に合わないように。
「いや、別にいいんですけど、腹減ったから……」
祐麒の呟きを聞き、蓉子は用意してあったものを取り出した。
「福沢くん、はい、これ……」
差し出したのは、弁当箱。いや、ただの弁当ではない。チョコレート弁当である(単に可愛い容器に、いろんな種類のチョコが入っているだけ)
「え、これって?」きょとんとする祐麒。蓉子は、意味もなく資料整理をしていた会議室に誰もいないことを再確認してから、祐麒に体を近づける。
「今日は、お姉ちゃんとしてじゃなく、一人の女教師として、福沢くんに本命のチョコレートよ」
「ん? 相変わらず蓉子姉さんの言うことはよくわからないけれど……ありがとう、嬉しいよ、チョコレート」
「わ、分からなくはないでしょう? 姉弟じゃなく、一人の教師と生徒なら、社会的にも問題は」
言いながら、更に身を寄せたところで。
「問題アリアリに決まっているでしょーがっ!?」
「笙子っ!? な、なんでここがっ」
「蓉子お姉ちゃんの考えることなんて、大体わかるもん! お兄ちゃんいないと思ったら、こんなところで変態行為を!」
「い、いいじゃない別に、女の先生と可愛い男の子の生徒なんて、よくあるシチュエーションじゃないっ」
「ないっつーの! どんなエロ本設定よ馬鹿じゃないの蓉子お姉ちゃん!?」
二人が言い争う中、手持無沙汰で腹の減った祐麒は、もくもくとチョコレートを食べるのであった。

 

三女の場合

入浴を終え、あたたまった体で自室に向かう前に、江利子の部屋へと足を向けた。
バレンタインチョコレートを渡したいから、お風呂から出たら部屋に来てくれと言われていたのだ。
他の姉妹達からは全て既にチョコレートを貰っていて、残っているのは江利子だけだった。毎年もらっているので、今年もやはりくれるのだろう。
しかし、わざわざ部屋に来てほしいというのも珍しかった。部屋の扉をノックして、江利子の許可を得て中に入る。
「いらっしゃい、祐ちゃん。待っていたわよ」にこやかな表情で祐麒を見つめてくる江利子。
「江利子姉さん、ちょっと、その格好は」
祐麒も思わず口にした江利子の格好とは、水玉模様の可愛らしくもセクシーなベビードール姿。胸の谷間と太ももにが実に眩しい。
「ん? ああ、あとは寝るだけだから」自分の格好を見て、当たり前のように言う江利子。
確かにその通りかもしれないが、さすがの祐麒も二人きりでこうして正面に見ると、姉だけに気恥ずかしいものがある。
「えっと、それで、その、用事って」分かっていながらも、自分から催促するようなことは口にしない。
「うん、祐ちゃんにね、バレンタインチョコレートをあげたいと思って……それでね、あの」
そこで、江利子は頬を赤くして、体をもじもじとさせる。
「どうしたの、江利子姉さん? 具合でも悪いの?」
「そうじゃなくて……実はね、チョコレートね、私の、大事な場所に入っちゃって……だからね、直接、祐ちゃんに食べてもらいたくて」
「大事な場所……? え? どういうこと」
祐麒が首を傾げていると、江利子はそのままベッドの上に仰向けに倒れ、潤んだ瞳で祐麒のことを見上げてくる。
「女の子の大事な場所っていえば、分かるでしょう? 入るところなんて、それこそ限られているし……」
言いながら、閉じていた太ももをわずかに開き、ベビードールの裾を指でちらりと持ち上げて見せる。
「ほら祐ちゃん、こっち来て。そう、ゆっくりと……ん、そうよ、そこ、当たりよ。さすが祐ちゃん、凄い……あぁ」
「えっ、えっ、江利子、あんた何てエッチなところにチョコをーーーーーーーっ!!?」
絶叫と共に、突入してきたのは蓉子だった。
「ん、なに、蓉子姉さん?」ベッドの上から、入口の蓉子を見つめる江利子。 祐麒は江利子のベビードールの裾を持ち上げ、江利子のお腹の上に置かれたチョコレートを取ろうとしていた。
「……ああ、いえ、そうね、お腹は大事よね、うん」
なんとなく勢いをそがれ、そんなことを言ってしまう蓉子。それでも充分にエロいシチュエーションだった。

 

四女の場合

「うーん、普段、料理とかしないから、やっぱり良くわからないわね」
キッチンで一人、静は困っていた。バレンタインデーの前日、祐麒に贈るためのチョコレートを作ろうとして、苦戦していたのだ。
チョコを溶かして固めるくらいなら静もできるが、もうちょっと上のランクを狙おうとしていたのだ。
誰かに聞こうにも、頼りの令は剣道の試合だかなんかで出かけてしまっている。一人でやるしかない。
静は気を取り直して、再度、新たな作品を作ろうと気合いを入れた。

「うううぅ、寒い、寒い! いきなり雨なんて、殺す気かっての!」
寒さに打ち震えながら、祐麒は帰宅した。帰りがけ、全く想定していなかった雨にふられて濡れ、体が冷え切ってしまった。
「俺、シャワー浴びるからねっ」キッチンに誰かいるのを察して、祐麒は大きな声で宣言してから洗面所に飛び込んだ。
服を脱ぎ、浴室に入り、熱いシャワーを出す。頭から湯をかぶってようやく、体が温まってきて生き返る心地がした。
しばらくシャワーを浴びて、完全に体に熱が戻ったところで、浴室を出てバスタオルで体を包み込む。
髪の毛を拭いているその時、「きゃあぁっ!!」という悲鳴とともに、何かが倒れる音が響いてきた。
「ど、どうしたのっ!?」何事が起きたのかと驚き、慌てて悲鳴が聞こえた方に向かう祐麒。
すると、キッチンの床に倒れている人影があった。急いで走り寄り、声をかける。
「静姉さん? 大丈夫、どうしたの? まさか、泥棒でも入ったのか!? そういえばこの散らかりようは……!!」
周囲を見渡してみれば、キッチンは酷い有様だった。調理器具が周囲に散乱している。警察に電話かと、立ちあがりかける祐麒の腕を静がおさえる。
「あの、違うの祐麒さん……ただ、私が足を滑らせて転んで、作っていたものをぶちまけちゃっただけ」手を床につき、ようやく身を起こす静。
「なんだ、びっくりさせないでよ……怪我はない、静姉さん?」
「ええ、それは大丈夫だけど、ああ最悪……べとべとして気持ち悪い……服の中にまで入ってきちゃって」
頭から生クリームを被ったのか、髪の毛、まぶたの上、鼻の頭、頬、口の端、首筋と、白い液状のクリームが付着し、垂れ落ちている。
着ていたパーカとシャツを脱ぐと、確かに服の中にも入り込んだようで、鎖骨から胸の方、そしてブラジャーにもべっとりと。
「なっ、ななななななっ、なんて、は、破廉恥なことを! 静お姉さま! お兄様っ!?」いきなりの悲鳴に振り向けば、瞳子が立っていた。
「おい、何をいきなり変なことを言っているんだ。静姉さんが転んだから……」と祐麒が言いかけたところで。
「うふふ、祐麒さん本当に情熱的で……あぁ、すごい……熱くて……素敵ですわ、コレ……」
と、なぜか恍惚とした表情を浮かべながら、胸や頬についたクリームを細い指で掬い、舌で舐めとった。
「お、おおおおにいさまのフケツ、変態、昼間からそんな格好して、静お姉さまとっ……!!」顔をこれ以上ないくらい真っ赤にしている瞳子。
「って、あれ、バスタオルは? あのな瞳子、これは」
「ぎゃーーーーーっ!? お兄様のばかーーーーーっ!!!!!」

 

 

五女の場合

「ふんふんふふーん♪」
令は上機嫌で、昼過ぎからずっとキッチンで格闘をしていた。何といってもバレンタインデー。腕によりをかけて、チョコレートケーキを作っている。
毎年、祐麒にはバレンタインチョコをプレゼントしているが、とても喜んで食べてくれるので、作る方としても気合いが入る。
もちろん、姉妹全員分も作るけれど、祐麒のは特別だ。だって、他の姉妹とは異なり、やっぱり男の子だし、何より……
一人妄想しながら作り、ときどきぼーっとしたり、赤面したり、身もだえしたり、とにかく慌ただしい。
「令ちゃんも結構、百面相だよね」
「あ、菜々ちゃん。『も』って何よ、ひょっとして私のこと言っているの?」
令にチョコの作り方を教わりにきて、一緒に作っている菜々と祐巳が、令の様子を見てそんなことを言っている。
「さーて、完成っ!」
ようやく、ケーキが完成する。味にも自信のある、納得の一品であるのだが、なぜか菜々と祐巳は微妙な表情をしている。
「どうしたの、二人とも? 何か、変かな」
「ううん、あのね、とっても美味しそうだと思うんだけど……えーと」
「これ、おにぃ一人の分だよね。他の皆の分はこっちにあるし。あまりに大きすぎるんじゃないかなと。しかもイチゴをあわせていますから」
「あっ……!!」
浮かれすぎていて、気がつかなかったが、確かにでかい。でかすぎる。おまけにイチゴじゃ、日持ちもしない。姉妹で食べるにも大きすぎる。
令は自分の迂闊さを呪いたくなった。そして。
「あ、あの、祐麒くん、本当に無理しないで」令の目の前で、祐麒が美味しそうにケーキを食べている。巨大なケーキは半分くらいなくなっている。
冷蔵庫にいれておけば、いくらなんでも今日明日くらいは問題ないと言っているのだが、それでも祐麒は食べる。
「せっかく令ちゃんが作ってくれたんだし、大丈夫だって」祐麒は笑うが、無理しているに違いない。ハラハラしながら見ていると。
「うわ、うわああああ祐麒くん、鼻血、鼻血がっ!?」
「え? わっ、なんじゃこりゃあ!?」
チョコレートの食べすぎで鼻血を出す、お約束のような展開になってしまった。
「……ご、ごめんね祐麒くん。私のせいで」しゅんとしている令だが、祐麒は気にした様子もなく笑っている。
「いやー、ケーキは美味しかったし、令ちゃんの膝枕も気持ちいいし、悪いことないよ」
ソファの上、祐麒は鼻にティッシュを詰め、令の太ももに頭をのせて寝ている。祐麒の言葉に、令が顔を赤くする。
「こんな膝枕でよければ、いつだってしてあげるのに」更に顔を赤くしながら、小さな声で言う令。
祐麒の頭を撫でながら、なんだかんだで幸せなバレンタインを過ごす令なのであった。

 

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