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【ブックレビュー】楽園とは探偵の不在なり(著:斜線堂 有紀)

更新日:

【作品情報】
 作品名:楽園とは探偵の不在なり
 著者:斜線堂 有紀
 ページ数:320
 ジャンル:ミステリー
 出版社:早川書房

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 特殊設定の活用度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 特殊設定ミステリーを楽しめる人

■作品について

二人以上殺した者は"天使"によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。
細々と探偵業を営む青岸焦(あおぎしこがれ)は「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱(つねきおうがい)に誘われ、天使が集まる常世島(とこよじま)を訪れる。
そこで青岸を待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった。
かつて無慈悲な喪失を経験した青岸は、過去にとらわれつつ調査を始めるが、そんな彼を嘲笑うかのように事件は続く。
犯人はなぜ、そしてどのように地獄に堕ちずに殺人を続けているのか。
孤島×館の本格ミステリ。

■良かった点

いわゆる、「特殊設定ミステリー」というやつである。
”天使”という謎の存在が降臨した世界。
二人以上の殺人を犯すと、天使によって地獄に引きずり落される。
これは”なぜ”とかは関係なく、”そういうもの”という設定として受け入れるしかない。
その、二人以上の人を殺すと天使に地獄に落とされる、ということから、連続殺人は本来なら発生しない。
ところが、閉ざされた孤島で連続殺人が発生し、なぜ? 誰が? というのを考えることになる。

連続殺人は無理でも、違う人が殺せば複数人を殺せる、というのは論理的にはありだけれど、殺人を犯す動機が複数人にないとありえない。
そして殺せる人数には限りがあるのに、それ以上の人がいなくなる。
さあ、どういうことだと。
この設定を活かした謎解きはまずまず楽しませてくれる。

閉ざされた孤島の中で発生するので考えは巡らせやすい。
読みやすい筆致でラストまで興味をひかせてくれるものもある。
設定は特殊だけれど読みづらいということはないですよ。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

当然ながら、特殊設定を受け入れられないと楽しめないことになる。
主人公の過去の葛藤とかもあるけれど、物語に必要だったかと問われるといまいち首をかしげる。

 

 

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