【作品情報】
作品名:ワニの町へ来たスパイ
著者:ジャナ・デリオン
ページ数:320ページ
ジャンル:ミステリー
出版社: 東京創元社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
続編も読んでみたくなる度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : ドタバタコメディが好き
潜入捜査で暴れすぎたため、身を隠す必要の発生したCIAの秘密工作員、フォーチュン。
彼女が送られたのは、ルイジアナにある田舎町。
自分とは正反対の、おしとやかな女性を演じなければならないのだが、町につくなり白骨死体を見つけてしまう。
地元婦人会を牛耳るおばあちゃん二人とともに、事件に巻き込まれてしまうフォーチュンの、ドタバタ活劇、開幕。
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主人公であるフォーチュンが、育った環境もあって普通の女の子では全くないというか、世間常識すら知らないのではないか? というところが突き抜けていて良い。
中途半端にするよりも、それくらいの方が物語を動かすには良いだろう。
そしてフォーチュンもそうだが、地元の婦人会を牛耳るアイダ・ベルとガーティのおばあちゃんコンビ。
フォーチュンすらを振り回す、パワフルで活動力に溢れている。
事件を呼び込むのはフォーチュンだが、事件を広げるようにかきまわすのはこの二人のせいではないか。
外国モノ、翻訳モノということでちょっと不安を抱く方、それだけで毛嫌いする方もいるかもしれない。
だけど文章はライトでノリがよく、訳が読み辛いとかも無いので、サクサク読んでいける。
そして登場人物たちのパワーで読まされる。
荒唐無稽な物語ではあるが、エンタメであり、これくらいぶっ飛んでいる方が楽しめる。
ていうか、フォーチュンはよく仕事で潜入捜査とか出来るな。
この物語を読む限り、「無理だろ?」と素直に思ってしまう。
まあ実際、潜入捜査でやらかしてしまったから、田舎町に流されたわけなのだが。
あと、ルイジアナ州ってこんな場所なんだ。という興味がわくと同時に、行きたくもなくなるなぁ。
だって、普通に家のすぐ近くの川にワニがいて危険が間近にあるんだから。
ドラマ化してテレビとかでやっても面白そうだけど、日本人じゃ無理だから外国に作ってもらわないと駄目ですね。
本場ではシリーズとして何作も書かれており、日本にもこれから以下続刊ということで翻訳されるらしい。
先が楽しみな作品である。
フォーチュンが凄腕のCIA工作員に見えないって?
そんなことを考えてはいけない。
そういう「設定」なんだから、そこは盲目的に信じよう。
価格:950円 |