【作品情報】
作品名:久遠の檻 天久鷹央の事件カルテ
著者:知念 実希人
ページ数:368
ジャンル:ミステリー
出版社:新潮社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
ちょっとマンネリ度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : シリーズ読者。ライトなメディカルミステリ―が好き
美しいままの少女。
不老不死の謎に、挑む。
かつてアイドルとして芸能活動をしていた少女、楯石希津奈。
十五年以上の時を経て、彼女がまったく同じ容姿で現れたことに驚いた精神科部長の墨田淳子は、統括診断部の天久鷹央に診察を依頼する。
だが、検査をしようとした矢先、父親が現れ、希津奈は連れ去られてしまう……。
ミイラ化した遺体。
自殺からの復活。
相次ぐ不可思議な現象の真実は?
今回の謎は、不老不死。
天医会総合病院の精神科に運ばれてきた少女、楯石希津奈。
彼女は二十年近く前にアイドル活動をしていたが、その時とまったく変わらない姿で運ばれてきた。
本来は32歳という年齢だが、もしそれが本当なら老化をしていないということなのか?
さらに彼女の謎を追いかけていくと、崖から転落しての自殺。
発見される楯石希津奈の遺体。
だというのに、同じ容姿で復活する楯石希津奈。
果たして何が起きているのか、天久鷹央をはじめとする統括診断部のメンバーが事件に迫ります。
今回より鴻ノ池が統括診断部の研修にやってきて、正式に統括診断部メンバーとして事件に入り込んできます。
いつも以上に、賑やかになりますし、当然ながら小鳥遊がからかわれる頻度もあがります。
事件の謎、というか不老不死に関しては、なんとなくこういうことかなー、というのは想像はできる。
医学的知識はなくても、根拠のない想像はできる。
まあ、厳密には予想と違っていたりするけれど。
怪しげな人物の正体とかも。
でも、実際にそういうことってあるんですかねー。
医学的には可能なんでしょうね。
鷹央がみせる精神的な成長。
鴻ノ池が正式に追加になったことで賑やかさの倍増。
マンネリ感のある中で、そういうちょっとした変化を入れてきている。
安定して読ませてくれる。
さすがに、小鳥遊の新車に乗った時の鷹央と舞の態度は酷い。
小鳥遊が車を愛していて、燃やされた愛車のかわりとなる新しい車、しかもわざわざ鷹央の要望を取り入れた車にしたというのに。
その新車の中を汚すようなお菓子を食べる、しかも小鳥遊は本気で嫌がって「駄目だ」と言っているのに。
人の心が分からないとかそういう問題を越えている。この描写は本当に、二人がむかついた。
というかこんなことされたらキレるよ。この時の二人は本当にクソだった。
舞だって、自分のバイクにされたらいやなことをなぜ平気でするのか。
あと、ホームズの言葉をわざわざ何度も何度も繰り返し口にするのも、読んでいて「またか」って気になる。
シリーズの中でもそうだが、同じ一冊の中で何度も読まされると、文字数稼ぎにも見えてしまうし。
カルト宗教も、シリーズでは1回くらいにしとかないとなー、って気もする。
事件そのものの内容より、そういう部分が気になってしまった。