【作品情報】
作品名:線は、僕を描く
著者:砥上 裕將
ページ数:317
ジャンル:エンタメ
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
文章から優しさと静謐さを感じる度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 心を癒したい人
青山霜介は高校生の時に両親を亡くし、今は一人暮らしをして大学に通っている。
しかしいまだ両親を亡くしたショックから抜け出せず、自分の殻の中から抜け出せない。
そんな霜介が友人の紹介で行ったバイト先で水墨画と出会う。
水墨画に次第に熱中し、のめりこんでいく霜介は、やがてその世界に魅了されていき、心を快復させていく。
色々と絶賛され、漫画化もされている本作。
読んでみてなるほど納得、これは面白い。
ストーリー自体は決して物珍しいものではない。
家族を事故で亡くし、一人きりになってしまった主人公は心に傷を負ったま生活をしている。
張りもなく、ただ日々を暮らしているだけの毎日。
そんな青年が偶然に出会ったのが、「水墨画」
水墨画にはまり、才能も出していく。
水墨画の大家に教わり、その大家の孫娘(超絶美少女)と筆を通して交流し、やがて心を快復させていく。
ベタである。
だけど、まず題材が「水墨画」というのが新鮮であり、読者もまた主人公の霜介のように水墨画の世界にのめりこんでいく。
水墨画を表す描写が美しく繊細で、素人ではあるがその奥深さ、難しさ、といったものが伝わってくるよう。
白と黒の世界で様々な色を表現する水墨画。
それは、描く人の内面を表現するもの。
でも、それを感じ取ることのできる目と心を持てるだろうか。
霜介は、持っていた。
登場人物はみな、嫌味な人がいなくて誰もが好感を持てる。
文章も読みやすく、内容も面白いから一気読みできる。
ヒロインの千瑛は超絶美少女だが、恋愛色がないのがまたよい(匂わせないわけではないが、あくまで同じ水墨画の仲間という立ち位置である)
変に恋愛にしなかったから、最後まで爽やかに読めたのかもしれない。
本を普段読まないような人でもおすすめ。
ドラマ化とかしても良いんじゃない?
もちろん、こんなうまいことって世の中にあるんかい!?
というのはあるかもだけど、エンタメですからね。
やっぱり美少女の方が良いでしょう。
価格:1,320円 |