【作品情報】
作品名:少女には向かない完全犯罪
著者:方丈貴恵
ページ数:450
ジャンル:ミステリ―
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
真相、ラストの納得度 : ★★★★★★☆☆☆☆
こういう人におススメ! : 特殊な設定のミステリーとか好き
なにもできない二人が、
逃げ、考え、罠にかける!
頭脳戦の楽しみに満ちた爽快な復讐譚!
黒羽烏由宇は、ビルから墜落し死につつあった。
臨死体験のさなか、あと七日で消滅する幽霊となった彼は、
両親を殺された少女・音葉に出会う。
彼女は、出会い頭に彼に斧を叩き込んで、言う。
「確かに、幽霊も子供も一人じゃ何もできないよ。
でも、私たちが力を合わせれば、大人の誰にもできないことがやれると思わない?」
天井に足跡の残る殺人、閉じ込められた第一発見者、犯人はこの町にいる。
両親を失った少女。
何者かに襲われて死につつある男。
そんな二人がコンビを組んでそれぞれの仇を見つけるために奮闘するバディもの。
方や子供。
社会的地位もなければ、お金も、信用も、体力も、経験も、色々なものがない。
方や幽霊。
知識はあれども実体がなく、現実社会に対しては何一つ関与することは出来ない。
どちらか一方であれば何もできないけれど、その二人が組めば出来ることはある。
方丈さんといえば特殊設定ミステリーという感じだが、本作もまた特殊な設定で物語が展開。
さらにミステリーとしては多重推理で、物語が進む中で色々な推理がなされ、否定され、また新たな推理が現れる。
その二転三転する推理はさすがというものを感じさせる。
少女が賢い!
いやまあそれは置いておいて、次から次へと色々と展開がスピーディに進んで読みやすくもあります。
頁数多いですが、結構サクサクと読み進められるかとも思います。
最後に向かって失速していく感じがなぁ。
終わってみて思うのは、推理や事件の真相よりも、バディものとしてを前面に押し出した方がよかったかもしれない。
多重推理も、なかにはやや強引というか、納得しづらいものもあった。