エンタメ 書評

【ブックレビュー】バルス(著:楡周平)

更新日:

【作品情報】
 作品名:バルス
 著者:楡周平
 ページ数:378ページ
 ジャンル:エンタメ
 出版社:講談社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 バルス度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 格差社会を

 

■作品について

世界最大のネット通販会社「スロット」。この会社を支えているのは大量の派遣社員、いわゆる非正規労働者である。
格差社会がその差を大きくしていくことに悲鳴をあげる非正規労働者たち。
ネット通販を支えるのは物流システム。その宅配トラックがテロにあう。「バルス」と名乗るテロ犯からの声明に、不遇をかこっていた非正規労働者たちが声を上げる。
現代社会に警鐘をつげる、社会派サスペンス小説。

■良かった点

今作で取り上げているのは、
「非正規労働者」
「ネット通販」
「宅配」
といったもの。
今の世の中が過剰に頼ってきているものである。
本作を読んで思うのは、先進国はこの先どうすれば良いのだろうなあという悩みであり思いである。
企業は利益を上げ続けなければならないが、利益をあげる最も簡易な方法は固定費を減らすことである。
即ち、人件費の削減だ。
正社員を派遣に、あるいは機械に変えればそれだけ固定費を減らすことが出来るから、今の世の中は派遣社員が多くなっている。
しかし派遣では生活に余裕などもてない、将来に希望も見えない、経済を回すため消費することも出来ない。
さらにそんな派遣を大量に雇い入れている海外資本のネット通販は日本に税金を納めるでもない。
搾取されるだけ搾取されているともいえる。

一方で、それらネット通販は今の世界ではなくてはならない存在になりつつある。
頼るほど自分達も苦しくなっていく二律背反。
そんな状況の中、そんな世界は間違っているとテロを起こす「バルス」
これはもちろん、「天空の城ラピュタ」で使われた滅びの言葉。
こんな世界滅びてしまえという、テロ犯の心の叫びである。

ネット通販、その配送料無料や翌日配送は、宅配会社などを叩くに叩いて出来ていること。
その物流システムを麻痺させてしまえばネット通販なんて成り立たなくなる。
それをまざまざと見せつけてくれる。

当初は
「ドッグファイト」
のような物流や宅配会社のことを描くビジネス小説なのかも友思ったが、実際には格差社会に対して警鐘を鳴らす社会派サスペンス小説だった。
普通に考えて、時給1000円で一日8000円、月20日間働いても16万円では、日々生きていくだけできついのは当たり前。
それを助長しているのは、社会であり政治、なんだよなぁ。
どうにかしようとしても、非正規を正規にしようとすると、既存の正規労働者の給料などを落とさざるをえないから、正規労働者や富裕層から同意が得られるとは思えない。
さて、本当に解決策はどこにあるのだろうか。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

ラストがちょっと。
え、なにそれ、それで終わり? みたいな感じになってしまった。
あと、同じようなことを作品内で何回も言うなぁという気がする。
それだけ強調したいのかもしれないのですが。

 

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