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エンタメ 書評

【ブックレビュー】屋上のウインドノーツ(著:額賀澪)

更新日:

【作品情報】
 作品名:屋上のウインドノーツ
 著者:額賀 澪
 ページ数:304ページ
 ジャンル:エンタメ
 出版社:文藝春秋

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 青春度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 爽やか青春ストーリー大好き!

 

■作品について

自分に自信が持てず、何をやってもやる気も出ずただ日々を生きているだけ。
幼いころから一緒だった友人とも別の高校に行き、鬱屈した日を過ごす志音。
さらに、離婚して離れて暮らしていた父親が亡くなった。
父の遺品であるドラムを一人練習する志音。そんなある日、学校の屋上でエアドラムをしていた志音に手が差し伸べられる。
吹奏楽部に入らないか、と。

部活を通して変わっていく志音を描いた青春ストーリー

■良かった点

志音と、吹奏楽部の部長である大志。
この二人に焦点を絞り、尚且つ二人の心の成長、変化に絞っていたのが良い。

変に恋愛を絡めることなく、いかにして志音が変わっていくか。
そして大志もまた過去に失敗し、部長になって同じことを繰り返すのではないかと不安を抱えている。
止まってしまった大志の時間、心がどう動き出すのか。
部活を通して、吹奏楽を通して、そして志音にとっての大志、大志にとっての志音。
それらが二人を成長させていく。

ともすると、途中で二人の関係は恋愛関係に発展してもおかしくないような場面もある。
でも、全くそういう風にいかないのがとても良かった。
部活を通した、爽やか青春ストーリー。
王道であり、新鮮味はないかもしれないけれど、だからこそ読み進める手が止めづらい。
二人がどうなるのか、先を早く読みたくなる。

吹奏楽って、なんでこう、青春っぽいんでしょうね。
男女でできる。
運動と違って意外な才能があるかもしれない。
文化系と運動系の混合で、スポ根でもある。
色んな要素があるからですかね。

全編通して、熱血とはちょっと違うけれども、それでも「熱い」青春ストーリー。

爽やかな気持ちになれる一作です。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

同級生とのからみが欲しかったなぁ。
せっかく同じ吹奏楽部に真緒や奈々江という同級生の女の子が入ったのだから、その子達とも仲良くなっていく様とか、そういうのがあると良かった。
まあ、それ入れると盛り過ぎて入らないというのもあったのでしょうけど。

 

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