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SF 書評

【ブックレビュー】裏世界ピクニック6 Tは寺生まれのT(著:宮澤伊織)

更新日:

【作品情報】
 作品名:裏世界ピクニック6 Tは寺生まれのT
 著者:宮澤伊織
 ページ数:320
 ジャンル:SF
 出版社:早川書房

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 百合度 : ★★★★★★☆☆☆☆
 こういう人におススメ! : 百合とホラーとネットロアが好きな人

■作品について

大学に通う空魚。
その空魚の前に金髪の美人が現れて、空魚は記憶喪失だと告げる。
全く身に覚えのないことにビビる空魚。
そういえば、しばらく前から右眼の調子がおかしい。
眼帯をしているけれど、何をしたのかよくわからない。
そうこうしているうちに、金髪美人と謎のヤクザによって連れ去られてしまう・・・

なんて感じで空魚の記憶喪失から始まるシリーズ第六弾!

■良かった点

今回はシリーズ初の長編です!

あらすじに記載のように、今回は空魚の記憶喪失から始まります。
まさか空魚の記憶を取り戻すための巻なのか!?
なんて心配はご無用、そんなんじゃ裏世界の探検が進みませんからね。
空魚の記憶喪失はあくまで前振り的なところ。

「寺生まれのT」

このネットロアは知りませんが、なんか、なんでもアリですね(笑)
恐いというか、ネタなのか。
このTさんの、

「破ぁ!!」

によって裏世界とのつながりである右眼の力を封じられてしまったことから物語は始まります。
そこから、Tさんを追いかけての探検。
今作では小桜、そして茜理を引き連れてのパーティになりました。
とにかく怯えて恐がる小桜は不憫だけど可愛いし、明るく前向きで人懐こい茜理は可愛いながら強いし。
夏妃が登場しなかったのが残念ですが。

全編を通してノリがよく進んでいくというか。
恐い部分は、深く考えると恐いことに間違いないのですが、空魚と鳥子はもういい感じに狂ってきているので、その恐さをあまり感じさせません。
判断というか、行動というかが、もう一般人から離れちゃっていますよねー。

それでもノリだけで終わりません。
前の5巻で拾ってきた謎の少女。
色々と謎というか不思議を持っている少女が最後に見せてくれたアレは、きっとアレですかね・・・?
というところで終わるのがなんとも。
次回、小桜がどうなるのか気になります。

このところ強かった百合は控えめに。
茜理を巻きこんだことで、鳥子がやきもちをやくのが可愛いですね。
きっとさらに夏妃が絡んできて焼きもちもやいてくるでしょうから、この四角関係というか、2組のカップルの行く末も楽しみです。

 

■ここが改善できるともっとよかったかも?

今回は劇場版を意識したとのこと。
いつもの短編のノリとは確かにちょっと違うかもしれませんが、楽しめることは間違いなし。

 

 

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