【作品情報】
作品名:作家刑事毒島の嘲笑
著者:中山七里
ページ数:320
ジャンル:ミステリ―
出版社:幻冬舎
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
嫌味ったらしさ度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 毒島の性格が気に入っている
保守系の刊行物で有名な出版社に、何者かが火を放った。
公安一課の淡海奨務は、左翼集団の犯行とみて捜査を開始する。
そこで出会ったのは同じく事件を追う作家兼業の名物刑事・毒島真理。
虫も殺さぬような風貌とは裏腹に、毒島は容赦ない口撃で犯人を徹底的に追い詰める。
淡海はその姿にたじろぎつつも、行動を共にすることに。
間もなくネットに公開された「急進革マル派」を名乗る過激派の声明。
果たして事件は大量殺人の予兆なのか?
作家刑事毒島シリーズの第三弾。
今回は公安一課の淡海とコンビを組んで事件を追いかけていく。
公安なので、追いかけていくのは当然というか過激派、左翼側の人間。
作品的には小さな事件を一つずつ解決する短篇を描き、それらが連なって一つの長編作になっていくパターン。
最初は過激派というか、そういう過激な思想を吹き込まれたような感じの人が行う犯行だけど、当然それが本丸ではなく。
そういう末端を操る黒幕が誰かいるはず。
一つ一つの事件を解決しつつ、淡海と毒島は事件の本質に近づいていく。
毒島の切れ味は本作でも健在。
嫌味ったらしい言葉で相手を追い詰めていくのはもちろん。
作家としての立場からも色々なことをモノ言うのは、中山さんの本音というか思いも出ているのでしょうかね。
毒島みたいな刑事に迫られたら、ちょっと嫌ですよね。心理的に。
当然、ただで終わるはずもなく、最後には・・・
という物語展開。
強烈なパンチ力はないけれど、作品としては楽しんで読めます。
毒島の性格が苦手という人は注意。
そういうひとは、最初の作品でやめますかね?