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SF ミステリー 書評

【ブックレビュー】不確定世界の探偵物語(著:鏡明)

更新日:

【作品情報】
 作品名:不確定世界の探偵物語
 著者:鏡明
 ページ数:422
 ジャンル:SF、ミステリー
 出版社:東京創元社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 実は純愛物度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 変わった設定のハードボイルドとか好き

■作品について

時間遡行マシンにより、自由に過去を書き換えて現実を改変できるようになった世界。
過去に干渉することで突然、目の前の相手が見知らぬ人間に変わり、見慣れた建物が姿を変えてしまうような世界。
そんな世界で売れない私立探偵を営んでいるギブスン。
ただ、常に歴史が変わる―現在が変わりつづけるこの世界で、探偵に何ができるというのか。
そんなある日、時間遡行マシンを所有する富豪から依頼を受けたことでギブスンの物語は動き始める。

■良かった点

時間移動モノであり、歴史改変モノである。
珍しいのは、歴史改変ありきの世界で人々は生きている、ということ。
よくあるのは、歴史改変を起こさないように奮闘するとか、あるいは絶望的な歴史を変えるために奮闘するというもの。
そうではないのが面白い。

そんな、ちょっと前まで当たり前だったことが当たり前じゃなくなる世界。
確かに、探偵がどう活躍できるのか? というのは疑問になるところ。
調べていたことが真実だといえないのだから、そりゃそうだろう。
タイムパラドクスありきでミステリーをやろうという試みである。

そう、SF要素はあれど、本作はあくまでハードボイルドな探偵もの。
SF設定はあくまで世界を構成する要素である。
もちろん、それを最大限に活かした探偵ものではあります。

主人公のギブスンは冴えない中年の私立探偵。
そこにやってくる美女とコンビを組んで事件に挑む。
うーん、まさに、という感じ。
二人のやり取りを楽しむのも、本作の魅力の一つ。

作品は8章からなり、それぞれ別の事件を追いかけていく。
最後の方では色々と収束してめでたしめでたし。
構成としては珍しいものではないかもですが、だからこそ素直に楽しむことが出来るというもの。
というか、ラストのために組み上げた物語、なのかもしれない。

世界観はブレードランナーとかスナッチャーを思わせる。
そういう世界を想像しながら読むと、より楽しいかも。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

タイムパラドクスとかのSF要素の強い作品を期待していると肩透かしをくらう。
あくまで探偵物語、が主です。

 

 

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