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ミステリー 書評

【ブックレビュー】ドロシイ殺し(著:小林 泰三)

更新日:

【作品情報】
 作品名:ドロシイ殺し
 著者:小林 泰三
 ページ数:272ページ
 ジャンル:ミステリー
 出版社:東京創元社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 グロさ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : シュールな世界観が好き

 

■作品について

「アリス殺し」、「クララ殺し」に続く、シリーズ最新作。
今回ビルがやってきたのはタイトル通り、【オズの魔法使い】の世界である。
ドロシイ、案山子、ブリキの樵、臆病ライオンといったおなじみの登場人物に出会い、【不思議の国】に戻ろうとするビルであったが、オズ支配者のオズマの宮殿で死体が発見される。

果たして、犯人は。そして事件の真相は??

■良かった点

ビルをはじめとする、登場人物たちのいつもの調子の会話はもちろん今作も健在。
むしろアレがなければこのシリーズとはいえないでしょう。
ビルはもちろん、案山子、ブリキの樵、ライオン達も同じような感じで会話を繰り返す。
そしてその脱力するような会話の中から、事件のヒントとなるべきポイントを探し出す必要があるので、脱力するからといって流し読みしていては駄目。

また今作は「オズの魔法使い」シリーズをベースとしているので、前作の「クララ殺し」よりは物語に入りやすいでしょうし、登場人物たちも知っていて分かりやすいはず。
シリーズ作品の登場人物が出てくるので、シリーズ読んでいないと分からないかもしれませんが、巻末に簡単な説明もついているので知らない人もそれを読めばOK。
個人的には【継ぎ接ぎ娘】ことスクラップスがお気に入り。

不思議な世界、アーヴァタール達によって繰り広げられる事件と捜査が、現実世界に影響を及ぼして二つの世界が交錯して進んでいく手法は今までと同じ。
ただ今回は、前二作よりもおとぎの世界の、オズの世界観の「怖さ」が出ているなぁ。
そしてほんわかしているように感じられる世界観と会話に反して、グロさも健在。あっさり描かれているから読んでいると流してしまいそうですが、実際にはかなりグロいことになっている。
ブリキの樵、臆病ライオンの無邪気な残酷さがそこかしこに出てきます。オズの魔法使いってこんなにグロい話しだっんだ!
でもまあ、これくらいならさほどグロいとも思わなくなっていますけど(笑)

ミステリー部分は、「クララ殺し」よりも分かりやすくなっている。
オチはやっぱり、一気にシュールな形に収束してゆく。
収束するというか、破壊されるというか。
これこそが小林泰三節。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

ミステリー部分はどうしても「アリス殺し」より弱いかなぁ。
世界観の方を大事にしちゃったかな?

 

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