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【ブックレビュー】空想クラブ(著:逸木裕)

更新日:

【作品情報】
 作品名:空想クラブ
 著者:逸木裕
 ページ数:376
 ジャンル:ミステリー、ファンタジー
 出版社:KADOKAWA

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 友達以上恋人未満な切なさ度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : ファンタジー要素もある青春ミステリが好き

■作品について

吉見駿は空想好きな中学生。

駿には不思議な能力があり、自分が見たいと思う風景を「見る」ことができる。

その力を知った真夜をはじめとする仲間とともに作った「空想クラブ」。

その真夜の葬儀の帰り道、駿は河川敷で幽霊となった彼女に再会する。

川で命を落とした真夜は、死の瞬間に抱いた「謎」のために、河川敷から動けなくなってしまったという。

自分だけが真夜の姿を見ることができると知った駿は、「空想クラブ」の仲間と彼女の死の真相を探っていく。

■良かった点

まさに青春ミステリという感じ。

かつて作った「空想クラブ」の仲間達も、中学生になってそれぞればらばらになってしまったが、真夜の死によって再び集まり始める。

とはいっても、それぞれが違う悩みや問題なども抱えていてそう簡単にはいかないのだが。

それでも、真夜が見えるという駿の言葉、そして駿を通して真夜の言葉を伝えられて、仲間達も信じるようになる。

真夜はなぜ死んだのか。

その事件の真実を追い求めることで、真夜が死んだ場所である河川敷から解放されるようになるのではないかということで、事件の謎を解明するために動き出す。

そうしているうちに、かつての仲間達とともに活動することが楽しく、何よりも真夜と一緒に居られることが嬉しいと感じるようになる駿。

  • 事件を解決したら真夜とは別れなければならないかもしれない
  • ならば、事件など解決しない方が良いのではないか

でも、そうすると真夜をずっとあの場所に縛り続けることになってしまう。

駿は真夜のことが見えて、話すことも出来るけれど、逆に言えば真夜は駿以外とは接することも出来ない。

もしも駿がいなくなったら、あるいは力を失ったら、その場所に縛り付けられて永遠に孤独な存在となるかもしれない。

自分自身の自分勝手な考えに嫌悪感を覚えながらも、それでもそう願ってしまう駿は、なんというか憎み切れないというか。

実際、まだ中学生の子供であるし、そう簡単に割り切れるものではないだろう。

 

駿をはじめとして、仲間達の、その年代に感じる思いや、行動に至る背景。

なんというか瑞々しいなぁ。

一方で事件の真相はといえば、なんとも言い難い重いモノがあるというか。

真相を知った駿は、真夜を解放したくないという思い以上に伝えたくないと思えるような真実。

でも、もしかしたら現実なんてそんなものかもしれない。

何も、重大事件や、殺人鬼に狙われるだけではないのだ。

真実を知った時の真夜の気持ちは推し量れない。

 

それでも。

ラストは希望を感じさせるものになって良かった。

切ないけれど、未来がある。

それは、少年少女たちにとってどれだけ救いになっただろうか。

作品の冒頭から色々と散りばめられている細かい伏線というか事象というかが、ラストに至るまでに綺麗に回収されていくのも良い。

 

ミステリーであり、ファンタジーでもあり、一気に気持ち良く読み進めたい一作。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

内容がどうこうというより。

タイトルで避けちゃう人もそれなりにいるような気がするのが惜しい。

 

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