SF 書評

【ブックレビュー】楽園への疾走(著:J.G.バラード)

更新日:

【作品情報】
 作品名:楽園への疾走
 著者:J.G. バラード
 ページ数:376
 ジャンル:SF
 出版社:東京創元社

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 狂っていく疾走感に酔いしれる度 : ★★★★★★★★★☆
 こういう人におススメ! : 狂った世界に惹きこまれたい

 

■作品について

「アホウドリを救え!いますぐ核実験をやめろ!」少年ニールはタヒチ沖に浮かぶ島へ向かうデモに参加していた。
環境保護運動を行う島であったが、徐々に、何かが壊れていく。
楽園の果てにあるものは何か。
バラードらしい作品。

■良かった点

いやー、まさに、「疾走」!
スピード感のあるスリリングな物語が展開されていく。
単にスピード感があるだけではない、どこか狂った足取りで破滅に向かって止まることも出来ず走り続ける。
そんな風に感じさせるのは、バラードらしい。

核実験からアホウドリをまもろうと声高々に唱える女医・バーバラ。
しかし彼女の倒錯ぶりはすさまじい。
閉ざされた楽園の中でバーバラの狂っているとしか思えない行動はどんどんと高まっていく。
そして、そんな中で暮らしている人間たちも徐々に狂っていく。
狂気の連鎖とでもいうのだろうか。
これが開かれた世界なら起こらないのだろうが、彼らがいるのは「楽園」だ。
逃げ場もない中で、バーバラの求める世界になっていく。

バーバラの思いを実現されるため、利用される少年ニール。
読んでいるとニールに重ねてしまい、自分もまた作品の狂気にとらわれていくような恐怖すら覚える。
こんな作品を書いてしまうバラードという作家の凄さを感じさせられる一作だ。

狂っていくとは何か。
この作品を読むと、それが分かるような気がするけれど、本当に狂うというのは、分かるとかそういうものではないのだろうなぁ。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

確実に万人向けとは言い難い。
読む人を選ぶだろうが、ハマる人には凄まじい威力を誇るだろう。

 

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