ノーマルCP マリア様がみてる 可南子

【マリみてSS(可南子×祐麒)】マニアックプレイ?

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~ マニアックプレイ? ~

 

 八月に入り、圧倒的な暑さが襲いかかって来ている。温度という点では七月とさほど変わらないはずなのだが、それでも、よりいっそう暑く感じるのは不思議なもの。こんな暑い日はクーラーのきいた室内でのんびり過ごすのが良いものだが、あまりクーラーが好きではないし、家はさほど裕福でもなく電気代が勿体ないし、結局は家にいたところで暑さは変わらない。それならば、外で活動的に動いていた方がまだマシとも思える。高校生という若さもあり、今しか出来ないかもしれないし。
「毎日毎日、あついわね~」
 仕事が休みの母が、扇風機の風を受けながらだるそうに言う。
「仕方ないじゃない、夏なんだから」
 髪の毛を結わいながら応じる。
「いやいや、天気のことじゃなくて、可南子が」
「……悪かったわね、暑苦しくて」
 毎年この時期になると、長い髪の毛は鬱陶しいやら暑苦しいやらだが、それでも短くする気はない。この長い髪の毛は、可南子にとってなくてはならないものだから。母だって分かっているだろうに、いつも同じことを口にする。
「あー、そういう意味でもなくて」
「は? 一体、なんなの?」
 鏡を見て、髪の毛のバランスを確認する。今日はポニーテールだ。
「だから夏休みに入ってからこう毎日、そうやってウキウキとユウキくんに会いに行く可南子を見ているとね、もうアてられちゃってさー、あー熱い、熱い」
 バタバタと、わざとらしく手で顔を仰ぐ母。
 その台詞の意味を理解して。
「なっ――何、変なこと言っているのよっ!? やめてよね、そんなの」
「だって、事実じゃない。あぁ、若いっていいわねぇ」
「だーかーらっ、そんなんじゃないってば! これはただ、夏休みの日課としてバスケの練習をしているだけなんだからって、前から言っているでしょ!?」
「可南子はそうかもしれないけれど、ユウキくんはバスケ部でもないし、日課にする必要性なんてないのにねぇ? あぁそうか、可南子のためだもんねぇ」
 にやにやと笑う母。
 なんで娘をからかって、苛立たせて、そんな楽しそうにしているのだろうか。大体、ユウキは勝手に来ているわけで、別に可南子が頼んでいるわけではないのだ。たまたま毎日のように姿を見せているだけで、今日は現れないかもしれないし、母の言っていることは的を外れているのだ。
 と、言い返したいところだが、言ったら言ったでまた何かしら反論されるのは目に見えているので、無言でやり過ごす。
「それじゃあ、行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい。あー、あたしも出かけるからね、暗くなる前には帰ってくる予定だけど」
「はーい」
「高一の夏、せいぜい熱くて甘酸っぱい青春を過ごしなさいよ、可南子」
「だからっ、そんなんじゃないってのに!」
 力を入れて玄関のドアを閉じる。
 外に出ると、灼熱の太陽が可南子を待ち受けていた。

 

 練習の場所はいつもと同じ人気のない小さな広場。家からだと、自転車に乗って二十分くらいと、それなりに時間がかかるけれど、バスケのゴールもあるし、静かだし、邪魔な人は来ないしと、練習環境的には問題ない。携帯音楽プレイヤーで音楽を聴きながら、夏の日差しを受けて自転車を走らせる。
 太陽光線対策に帽子をかぶり、日焼け止めを塗っているけれど、それでもじりじりと肌を焼きつける強烈な日差し。多少の坂があろうと体力的に疲れるなんてことはないが、汗が浮かびあがってくるのは止めようもない。
 それでも、走っている途中から少し雲がかかってきて、体感的にはぐっと気温が下がったように思えたので、楽に目的地に到着出来た。
 自転車を止め、誰もいない公園でまずはゆっくりとストレッチをする。準備運動を終えたところで携帯電話の時間を確認。
「……まあ、別に時間を約束しているわけでもないし」
 誰に聞かせるわけでもないのに、声に出して呟く。視線を巡らせてみても、特にそれらしい人影は目に入ってこない。
 可南子は軽く肩をすくめると、バッグからボールを取り出して練習に入る。
 ドリブル、フェイント、シュート、いつも決めている流れで進めていくが、いまいち調子が乗ってこない。それでも飽きることなく練習を続け、二十分ほど時間が過ぎたところで、自転車に乗った人影が見えた。
「ちょっと、遅いわよ。たるんでいるんじゃないのっ?」
「いや、ごめんごめん、寝過ごしちゃって」
 頭をかきながら自転車を降りてやってくるユウキ。
「別に、アンタと約束なんかしているわけじゃないし、謝る必要なんかないんじゃないの」
「え? いやだって、最初に怒ったのは可南子ちゃんじゃ……」
「う、うるさいわねっ、来たんだったらさっさと相手しなさいよ、ほらいくわよっ」
「ちょっと待った、まだストレッチが」
「遅れたユウキが悪いんでしょう? ほら、私の方がポイントリードね」
「あっ、ずりぃっ! いいだろう、それくらいハンデとしてだな」
「ハンデが必要なのはユウキの方でしょ、あはっ」
 慌ててディフェンスにくるユウキをかわし、レイアップシュート。外すわけもなく、ボールはリングを通って地面に弾む。
 先ほどまでの不調さもどこへやら、体の動きにもキレが出て、やる気も満ちてくる。やっぱり一人で練習するよりも、相手がいた方が俄然と気合いが入る。
 そう、これは別にユウキが相手だからというわけではなく、丁度張り合うことの出来るレベルの相手がいるからなのだ。他に理由などあるわけもない。
「くっそー、それじゃあ俺も本気モードで行くぞ」
「はいはい、そう言っていっつも負けているのはどこのどなたさんでしたかね」
「今日は違うぜ、そりゃっ」
 ボールを手にしたユウキが切り込んでくる。
 腰を落としてディフェンスする。
 閑静な住宅街にはボールの弾む音と、可南子とユウキの二人の呼吸音、そして時折二人の会話だけが響く。
 難しいことも、複雑なことも考えることなく、ただボールを追いかける。相手を超えることだけを考える。どうすれば相手のディフェンスをかわしてゴールできるか、どうすれば相手のオフェンスを防ぐことが出来るか、ただそれだけしか考えられなくなる。
 相手はバスケ部でもないが、運動神経の良さとセンスの良さで経験の少なさを補う。バスケ経験者でないせいか、可南子の意表を突く動きをすることも多々あり、それに対応することも良い練習になる。
 暑くて、苦しくて、汗が滴り落ちて、だけど気持ち良い。
 心が空っぽになって、脳は痺れてきて、気持ちはハイになって、いつまででもこの空間に居たいと、そんな気持ちすら浮かんできて。
 時間を忘れて、可南子はただボールを追い続ける――

 

 1on1を開始してからどれくらい立った頃であろうか、頬に水滴を感じたのは。さほど激しくなかったので気にせず続けていたが、今になって急に強く降り出してきた。
「可南子ちゃん、そろそろ」
「待って、これが私のラストの攻撃よ。これで、逆転だから」
 雨と汗を滴らせながら、可南子が不敵に笑う。
 初めは可南子がリードしていたが、体力的に上回るユウキが徐々に追い上げてきている。現在、四ラウンド戦って二勝二敗のタイで、第五ラウンドの今は同点。ユウキが先攻なので、可南子がゴールを決めれば可南子の勝利になる。
「あまり状態の悪い中で無理しない方がいいんじゃ」
「分かってるけどさ、この状況でやめられるわけ、ないでしょう?」
 可南子は相当な負けず嫌いだ。
 ユウキも諦めたように、ディフェンスのために腰を落とす。
「オッケー、じゃあ今日はこれで引き分けだ」
「――残念、今日も私の勝ちよっ!」
 降りしきる雨の中、可南子は勢いよく切り込んでいった。

 

「うわーっ、もう全身びしょ濡れだぁ」
 勝負を終え、慌てて避難した二人。
 とはいっても周りは住宅街で、逃げ込めるような店の軒先もなく、とりあえず広場の奥にある大きな木の下に駆けこんだ。緑化運動なのかどうかは分からないが、小さな広場にはそぐわない大きさで、どうにか雨を防いでくれている。
「ふふ、でもこれで今日も私の勝ちね」
 髪の毛を絞りながら、可南子が満足そうに言う。
「な、なんだよ。でも三日前は俺が勝ったじゃん」
「あ、あんなの、苦し紛れのスリーポイントが偶然、入っただけじゃない」
「それでも勝ちは勝ちだからねー」
「くっ……でも、トータルでは私の方が勝率七割は越えているし」
「えー? いやせいぜい6:4でしょう」
「そんなことな……っくしゅっ」
 小さなくしゃみをする可南子。
 真夏とはいえ、雨で全身の体温を奪われているし、太陽が隠れているから気温も随分と下がっている。それまでが暑かったので、比較するとかなり冷えたように感じる。
「これ、しばらくやみそうにないか……あ」
「ん?」
 空模様を眺めていたユウキが、不意に可南子の方を見て硬直した。そして、みるみるうちにその顔が紅潮していく。
「なに、どうしたの……って、あ!?」
 思い至って可南子は自分の体を見てみる。
 雨で完全に濡れたシャツは肌に張り付き、胸のラインを思い切り浮き上がらせている。当然、下着もばっちり透けて見えるし、それ以上に肌だって見えそうな感じ。
「ば、馬鹿っ、エロ! 何見てんのよっ!?」
「いやごめん、でも仕方ないじゃん、不可抗力だし、男なら見ちゃうって!」
 腕で胸を隠し、ユウキに背を向ける可南子。
 しかし、それでも祐麒の目は釘付けになる。
 背中を向けても、浮かびあがった肩甲骨やブラジャーは見えるし、更に言えばショートパンツも濡れて張り付いて、下に穿いているパンツのラインがくっきりと見えてしまっているのだ。
「だーかーらっ、み、見るなーーーーーっ!!!」
「ふぼっ!?」
 可南子の鉄拳が炸裂した。

 

 しばらく待ってみたが一向にやむ気配がなかったので、二人は雨の中を強行して帰ることにした。
 降り注ぐ雨が目に入ってスピードも出せず、体温も体力も奪われながら、ようやくのことで可南子のアパートに到着する。
「はい、タオル」
 先に室内に入った可南子が、玄関先で濡れネズミになっているユウキにバスタオルを投げて渡す。可南子も、バスタオルを肩からかけながら、別のタオルで髪の毛を拭っている。
「小母さんは?」
「買い物じゃないかな」
「そっか、いや申し訳ない、なんかこんな」
「……まあ、天気に文句言っても仕方ないしね。とりあえず、シャワー浴びてきて」
「え? いいよ、そんな。それなら可南子ちゃんが浴びなよ、体冷えるよ」
「ユウキの方がお客さんなんだから、先に入んなさいよ」
「いやいや、可南子ちゃん女の子なんだし、先に入らないと駄目だって」
「む……」
 思いのほか、強い口調で言われて僅かに怯む可南子。
 しばし睨みあう格好になるが、どうやらユウキが折れるつもりはないと悟り、ため息をつく。
「分かったわ、じゃあさっと入ってくるから、適当にくつろいでいて」
 身を翻し、言葉通りさっさと洗面所に入って行く可南子。
 残された祐麒はといえば。
 くつろいでと言われても、上も下も完全に濡れているので座ることもできず、変わらずに玄関にただ立ち尽くすだけだった。
 本当に体を温めてきただけなのであろう、十分ほどして姿を見せた可南子は、タオルをかぶって立ち尽くすユウキを見て呆れた顔をする。
「何やってんのよ、中に入っていればいいのに」
「そうは言っても……は、はっ、っべしっ!」
「うわ、何そのくしゃみ、変なの。ほら、シャワーそっちだから」
 可南子はユウキを洗面所に押し込んだ。

 

 

 戸惑いつつも、冷えた身体を温めたくて、祐麒はありがたくシャワーを借りることにした。洗面所で濡れた衣類を脱ぎ、そこでふと動きが止まる。
 目についたのは、置かれていた籠。籠の中には、どう見たって可南子のものとしか思えない下着が入っていた。色、形からして、先ほどまで可南子が身に着けていたものだろう。透けて見えた淡いピンクとレースは間違いない。
 思わず、ごくりと唾を飲む。
 次に祐麒入ると分かっているのに、なんでこんな場所に脱ぎっぱなしにしているのか。可南子の下着もぐっしょりと雨に濡れているのは分かるが、それでもほんの十分前には可南子が身に着けていたものなのだ。
 理性に反して手が伸びそうになるのを、懸命にこらえる。そんなことをしたら、完全に変態になってしまう。いや、でもちょっとくらいなら……などと思っていると。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!?????」

 洗面所の外から、甲高い悲鳴が轟き渡ってきた。
 そして次の瞬間、勢いよく洗面所の扉が開き。
「ユユユ、ユウキっちょっと待って、私のっ」
「あ、か、可南子ちゃ」
「きゃあああああああああああっ!!?」
 飛び込んできた可南子は、裸の祐麒を見てまた叫んだ。直前に危機を悟り、咄嗟に股間は隠したので見られていないと思うが、果たして。
「可南子ちゃん、お、落ち着いて、一旦出てもらえると」
「ううううっ、うるさいっ、いいからこっち見るな、それから変なもん見せないでっ!」
「いやいや、可南子ちゃんが入って来たんでしょうが!?」
 真っ赤になり、祐麒から顔を背けながら、可南子は洗濯籠に飛びついた。
「み、み、見てないでしょうねっ、て、ちょっ、何パンツ入れてんのよっ!?」
「ほ、他に置く場所がなくて、一応、可南子ちゃんのは避けるように」
「な、なんでユウキのパンツと一緒に、ってサイアク!? ってかそれ、私のパンツ触ったってこと!?」
「不可抗力だから、大体、分かっていて置きっ放しにする可南子ちゃんが悪いんだろ!?」
「お母さんと二人暮らしだから、そんなこと頭から抜けていて、って、手を離すなーっ!」
「うわわっ!?」
 慌てて股間を隠す祐麒。
 そして可南子は顔を覆うが。
 その、顔を覆ったものが。
「――あ、それ俺のパンツなんだけど……」
「……へ?」
 自分が顔を埋めていた布を改めて広げて見て、可南子は。
 声にならない悲鳴をあげ、パンツを祐麒に投げつけたのであった。

 

 

 てんやわんやの中、ようやくユウキを風呂に押し込めた。自分の下着も確保した。それだけで可南子は疲労し切って、居間でぐったりとしていた。
 外からは相変わらずの雨の音。
 最悪だ。
 シャワーは浴びて体は温まったけれど、髪の毛はまだ濡れていて乾いていないし、ユウキに下着を見られるわ触れられるわだし、もっとも最悪なのはユウキのパンツなんか握ってしまったこと。
 練習で肉体的に疲れて、帰って来て精神的に疲れて、出てくるのはため息ばかり。
「あぁもう、本当に最悪だ……」
 思い出したくないのに、思い出してしまう。
「なんで、よりによって、あんな、ユウキのパンツなんかに……」
「ふんふん、パンツにどうしたの?」
「だから、ぐちょぐちょのユウキのパンツなんかに顔を埋めちゃって……」
「それはなかなかマニアックな……で、どんなだったの?」
「なんか微妙に生温かくて、ああ、思い出しただけで」
「あの独特の臭いと味を思い出しただけで、濡れてきちゃうと……わぁ、さすがあたしの娘、なんつー特殊なプレイというか性癖というか、匂いフェチ?」
「って、お母さん!?」
 テーブルにべったりとしていた体を起こして後ろを見れば、帰宅した母の姿。買い物袋を床におろし、雨に濡れた肌をハンカチで拭いている。
「はい、これ、メールで頼まれたヤツ」
「あ、ん、ありがと」
 差し出されたビニール袋を受け取ると、母は呆れたようにため息をついた。
 良く分からないが、とりあえずビニール袋を手に立ち上がり、洗面所の中に放り込んだ。
「ユウキ、着替え、ここに置いておくから」
 中から「サンキュー」という声が聞こえた。
 そうして可南子が居間に戻ってくると、麦茶を手にした母が、にやにやとした顔で見上げてきていた。
「可南子も本当、やるもんねぇ。男の替えの下着を母親に買わせてくるなんて、まあいいけどさ、なんでそんなことに」
「仕方ないじゃない、もう下着までぐしょぐしょに濡れちゃったんだから」
「そんなに激しかったの? 可南子も?」
「そりゃそうよ、私だってもう、ぐっしょり」
「着衣プレイか……ユウキくんもなかなかにマニアックねぇ。で、何ラウンドくらいヤったの?」
「五回、だけど」
「ははっ、さっすが、若いわねぇ、元気なもんね」
「まあ、ユウキは最後の方はヘロヘロになっていたけどね、だらしないことに。私の方はまだまだ余裕で全然いけたし、もっとやりたかったんだけど」
「可南子……あなた、ハマると怖いタイプね。まあ若いし、のめりこんじゃうのも分かるけれど、適度にしなさいよ。うーん、しかしこんな早いうちから娘とこんな話をするなんて思わなかったわぁ」
「は? 何が……あ、ユウキ」
 気配を感じて見てみれば、洗面所からユウキが顔を出していた。
「可南子ちゃん、これありがとう……って、あ、わっ、すすすみません、お邪魔していますっ!」
 母の姿を見て、慌てて飛び出て頭を下げる。
 簡素なTシャツに短パンは、母が買ってきた着替え。短パンの下は、想像もしたくない。
「いや、私の方がお邪魔なタイミングに帰ってこなくて良かったわ。てゆうか可南子、今度からはちゃんと事前に言っておいてよ。うちを使うのはまあ、学生だしお金もないだろうから構わないけどさ」
「? 事前にって言われても、今日は突然だったし」
「あらそうなの? ちょっとユウキくん」
 と、ユウキの方に向けて眉をひそめる母。ちょいちょいと手招きをすると、ユウキがこそこそと寄っていき、小声で言葉を交わす。
「若いしやりたい盛りなのは分かるし、気をつけてくれたら構わないんだけど、あんまり可南子に変なこと教えないでね。ほら、ユウキくんのパンツに、とか」
「そっ、それは別に俺じゃないですよっ!?」
「そうなの? じゃあ可南子自ら……そういえばさっき、最後の方はユウキくんの方がヘロヘロになっていたのを、可南子の方が積極的にって言っていたわね。自ら求め、絞りとり、男性のアレでぐちょぐちょになった下着に顔を埋め、頬ずりし、匂いを堪能し、うっとりとした顔で舌を突き出して美味しそうに味わう我が娘……か。あの独特の匂いと味にはまってしまったのか、ま、まあ、分からなくもないけれど、う、う~ん」
 よくわからないことを呟いて、頭を抱える母。
「男嫌いの反動かしら、やっぱり、て、あ、なんかヤバい。想像したら、あたしもなんか少し興奮してきたかも。なんせめっきり男日照り……って、何を考えているのあたし!?」
 今度は、妙な目つきでユウキのことを見つめていたかと思うと、いきなり自分の頭を叩きだした。大丈夫だろうか、本当に。
「まあ、いいわ。それより可南子」
「何なのよ、さっきから」
「……マニアックでも、人の道さえ外さなければ、あたしは何も言わないから」
「はぁ!? ちょっとお母さん、さっきから何なの一体、ねえっ??」
「ユウキくんも、娘のこと、よろしくね。我が娘ながら、そこまで変態的性欲が強いとは思わなかったわぁ」
 重く長い息を吐き出す母。
 困惑した様子のユウキ。
「ちょっ、変態って誰がよっ!? お母さんっ!?」
 そして金切り声をあげる可南子。

 

 可南子とユウキの仲は、こうして細川家において変態的なものとして、確立していくのであった。

 

おしまい

 

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