【作品情報】
作品名:放課後、ファミレスで、クラスのあの子と。
著者:左リュウ
ページ数:248
ジャンル:エンタメ
出版社:KADOKAWA
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
ヒロインのデレ度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : わけありヒロインとのラブコメを読みたい
なんとなく楽しい、そんな時間が心地よくて。 いつものファミレス――そこは、親の再婚でなんとなく家に居づらくなった俺の逃避先。
家族と無理に過ごさずにすむ、自分だけの居場所。
そんなファミレスでいつも見かけるクラスメイトの加瀬宮小白は、誰とも馴染まない孤高の美少女。
どうやら彼女も家に居場所がないらしい。
ひょんなことからお互いの秘密を語り合った俺たちは、遅く帰るためのアリバイを作る《ファミレス同盟》を結ぶことになって……。
その日から俺たちは、お互いがありのままでいられる関係になり、退屈だったファミレスでの時間は小白と愚痴り合う楽しい時間になった。
「「―――明日の放課後、いつもの店に集合で」」
放課後のファミレスで、今日もふたりの帰らない理由探しが始まる。
お互いに家族とちょっとした問題があり、家に居づらい。帰りづらい。
そんな二人が家に帰るまでの時間を一人で潰す場所が、ファミレス。
互いの存在は知っていたものの、それまでは特にお互いに関与しなかった。
しかしある日、ひょんなことからお互いの境遇を知り、互いに家に帰るまでの時間を共有する「ファミレス同盟」を組む。
そこから始まる二人の関係性を描いた物語。
果たしてどんなものかと思いつつ読み進めてみたけれど、意外と良かった。
似たような境遇ではありつつも、家族との関係性はそれぞれ異なる。
主人公の方はどちらかというと恵まれているけれど本人の心の問題。
一方でヒロイン、小白の方はあの家族ではちょっとな、と思わせるものがある。
それだけに、主人公の存在が小白の助けになるという構図は良かった。
ぶっちゃけ主人公の方は、単に家に居づらい、っていう部分が大きい(もちろん、他にもあるけれど)
互いの抱えていることには踏み込まず、だけど愚痴なら聞く。
適度な距離をもった関係性が心地よくなり、時間を潰すのも一苦労だったのに、いつしか二人でいる時間だと短く感じるように。
互いを意識し始めるようになるけれど、踏み込まないようにと約束したから自分でセーブする。
そんな感じもまた良し。
とりあえず導入としては楽しめた。
ここからどう展開していくか、か。
普通のラブコメになっていくのか、家族の関係性に踏み込んだ少し重いものになっていくのか。
これといったパンチはない。
淡々と進む感じかな。
あと、ヒロインがデレるのがさすがにはやくないか?