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エンタメ 書評

【ブックレビュー】[映]アムリタ 新装版(著:野崎まど)

更新日:

【作品情報】
 作品名:[映]アムリタ 新装版
 著者:野崎 まど
 ページ数:240
 ジャンル:エンタメ
 出版社:KADOKAWA

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 最後にやられる度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 平穏にひそむ狂気と異常を愛する

 

■作品について

芸大の映画サークルに属することになった、役者志望の二見遭一。
そのサークルに誘われたのは、天才とうたわれる最原最早が監督する自主制作映画の撮影のためである。
サークルの仲間とともに、最早の映画製作に加わり、彼女と少しずつ近づいていく二見。
だが、その映画は普通の映画ではなかった・・・

■良かった点

一連のシリーズの存在は知っていたけれど、新装版が発売されたことで手に取りました。
記念すべき野崎まどのデビュー作ということで、どういう作品か期待しながら読みました。

軽妙な文体。
笑える会話。

読みやすく、さらにどういう結末に向かっていくのか楽しみながら、すらすらと読み進めることが出来る。

そしてラスト
ああ、野崎まどなんだなと理解させられる物語の転換。
デビュー作で、初めてこの人の作品でコレを読んだら、次の作品も読みたいと思わせられる人は多いのではないでしょうか。

どう読み進んでもラノベ。
最原最早という名前だったり、登場人物の会話、行動、すべてがラノベ。
でありながら、作品の中にあるのは果てしない狂気。
こんなことをまともな人間がやるわけがないと思いながら、まともな人間じゃないんだからこれくらいやってもおかしくないと思わせられる。

ほっこりすると思わせて突き落としてくる。
ギャグパートで笑わせていることすら、その先につながる奈落の底を深くしているとしか思えない。

最原最早、彼女が真に求めているものは果たして何なのか。
作品を読んだだけではうかがい知ることはできないのかもしれない。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

ラノベ的文体で受け付けない方もいるかもしれません。
でも、それでも読んでみる価値はあると思いますよ。

 

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