~ 福沢家の2021姫初め <長女編> ~
正月三が日どころか六日を過ぎてようやく景は仕事にキリをつけた。締め切りはもう少し先だが、先が見える形にしたかったのだ。
大みそかの夜と元旦の朝だけは家族のみんなと食卓を囲み、新年のあいさつをしたが、それ以降は部屋にこもってひたすら仕事。
今手がけている作品の人気が出て、ゲーム化のプロジェクトが持ち上がり、シナリオを考えないといけなかったのだ。
「お疲れ様、景姉さん。なんか久しぶりに顔を見た気がするよ。元旦以来、だっけ?」部屋に来た祐麒が労をねぎらう。
「ああ、祐くん~、私頑張ったよ。お姉ちゃん頑張ったから、頑張ったご褒美が欲しいなぁ」
甘えてしなだれかかってくる景。こうして仕事が終わった後だけ、景は遠慮せずに甘えてくるようになった。
ずっと長女としてしっかり者で妹たちの面倒を見てきた。甘えることなど出来なかったが、この瞬間にタガが外れるようだ。
「ご褒美、って、何が欲しいの?」しなだれかかってくる景を抱きとめながら尋ね返す祐麒。
「それはもちろん……ん、ちゅっ……ん」唇を重ね、情熱的に吸い付いてくる景。差し込まれる舌に、祐麒も舌で応える。
「……キス、だけでいいの、景姉さん?」一息ついたところで口を離し、上気した顔の景を見つめる。
言いながら既に、祐麒の手は景のスウェットの中に滑り込み、程よい大きさの乳房に迫っていた。
「あっ!? そうだ私スウェットで、お風呂も入ってないから髪も体も汚いから、しゃ、シャワー浴びてから」
「大丈夫、景姉さんは汚くなんかないよ。それに、シャワー浴びに部屋から出たら、皆に知られちゃうよ?」
「うっ……でも……」葛藤する景。女子としてはやはり、ダサい格好に汚い身だしなみというのは気になるようだ。
「嫌なら、無理にとは言わないよ。今度にする?」優しく祐麒が言うと。
「うぅ……ダメ、ご褒美に祐くんの、たくさん貰うんだからっ」
言いながら景は、祐麒をベッドに押し倒してきた。その手がセーターの中に侵入してくる。
祐麒も手の平に胸をおさめながら、スウェットのパンツをずり降ろして景のショーツ越しにお尻を撫でる。
「あ、景姉さん、もう……」指がショーツ越しに股間に触れると、そこは既にしっとりと湿り気を帯びていた。
「だ、だって、久しぶりだし、さっきから祐くんに胸触られて……それを言うなら祐くんだってもう、こんなに……」
とろんとした目つきで見つめてきながら、景は祐麒の下腹部に手を伸ばしてさすってきた。
普段は控え目で祐麒に委ねる景だが、仕事明けの時だけはテンション高く、自ら色々と積極的に攻めてくる。
祐麒としては、そんな景にいつも以上のエロさを感じるので、つい仕事明けは慰労の名のもとに部屋を訪れてしまう。
「部屋には鍵もかけてあるし、今日は夜までいいよ……ね?」
薄暗い部屋の中、景の眼鏡のレンズだけが怪しい光を放つのであった。
~ 福沢家の2021姫初め <次女編> ~
冬休み、学校に登校した祐麒は首を傾げた。確か今日、補習があるということで呼び出されているはず。
しかし、学校には部活動している生徒がちらほら見られるだけで、補習が行われている様子など微塵もない。
教室に入ってみて他に生徒の姿が誰一人見当たらないのだから、間違いないだろう。時間だって、予定通りだ。
「あれぇ、おかしいな、間違ったとか? いやでもそんなはずは……」
「……大丈夫、間違いじゃないわよ、祐麒ちゃん」教室の扉が開き、入ってきたのは蓉子だった。
「あ、蓉子姉さん、じゃなかった先生、なんか誰もいないんだけど、一体」
「ええとね、ちょっと場所を変えることにしたの。こっち、着いてきてくれるかしら」
蓉子に先導されて教室を出て、校内を歩いて連れてこられてのは多目的教室。
準備があるとかで蓉子は隣の準備室に入り、祐麒一人待たされる。そうして待つこと十分ほど。
「お待たせ、ごめんなさい。ちょっとこっちの部屋、来てくれるかしら?」
隣の部屋から蓉子の呼ぶ声が聞こえ、祐麒は何も疑問を抱かずに準備室へと入った。そこで待ち構えていたのは。
「えっ!? ちょっと、蓉子姉さんっ!?」
驚いてしまうのも無理はない、そこにはリリ寺学園の女子制服に身を包んだ蓉子が立っていたのだから。
白いブラウスにリボン、クリーム色のスクールベストにジャケット、そしてチェックのスカートにハイソックス。
「ど、どうしたの、その格好!?」
「私もこの学園の卒業生だから、制服くらい持っているわよ」
「そ、そうじゃなくて、なんでそんな格好で? それに今日は補習じゃあ??」
「もう……補習は、祐麒ちゃんを呼ぶための嘘。じゃないと、なかなか二人きりになれないじゃない」
恥じらうように、短いスカートの裾を手でおさえる蓉子。
「あと、この格好は、今日は祐麒ちゃんと同じ学生っていうので、その、どうかなって思って……嫌、だった?」
「い、嫌だなんてそんな、蓉子姉さん」言いかけた口を、人差し指で封じる蓉子。
「……今日は、お姉ちゃんじゃなくて、先輩で、ね?」
「よ、蓉子、先輩……あ、だ、駄目です、学校内でそんなこと……うぁ」
「うふふ……祐麒ちゃ……祐麒クン、先輩の言うことが聞けないのかしらぁ?」
ノリノリで攻める蓉子と、受けに回る祐麒。この日、準備室の扉が夕方まで開くことはなかったとか……
~ 福沢家の2021姫初め <三女編> ~
お正月、元旦の夜のこと。
大みそかは夜遅くまで起きていて、元旦は朝早くに起きて一日中テレビなんかを見ていたけれど、さすがに疲れてくる。
お正月番組というのも毎年のことで、特にそこまで見たいという番組があるわけでもなく、比較的早めに寝ようと思った。
風呂から出て部屋に行こうかと廊下を歩いていたところで、いきなり腕を掴まれて一つの部屋に引っ張り込まれた。
独特の匂いに漂うその部屋、江利子の部屋だった。部屋の鍵がかけられるのが、音で分かる。
「ええと、江利子姉さん?」扉の鍵をかけた江利子は、そのまま祐麒の前まで歩いてきて、正座をする。
「祐ちゃん……あの、今年もよろしくお願い致します……」上気した頬、熱い息を漏らしながら見上げてくる江利子。
「何がよろしく、だっけ?」
「それは、あの……こ、今年も私のこと……た、沢山苛めてください!」
膝立ちになった江利子は、いそいそと祐麒のズボンのベルトを外し、下半身をパンツ一丁にする。
同時に自分も服をはだけていくと、姿を見せたのは麗しい肉体を縄で痛々しく締め付けられている姿。
「はあ……お、大みそかからずっとこの状態で、私……もう、我慢できなくて……お、お願い」
縄はぎっちり肌に食い込むほど強く縛られており、結び目が敏感な場所にあてがわれている。
「今年も祐ちゃんのメス奴隷でいますから……お願い……」
意図したことではなかったが、ある時に江利子を苛めてしまったことがあった。その時を契機に江利子のM性が目覚めた。
回数を重ねるうちに、今や江利子は、祐麒の立派なMメス性奴隷になっていた。
皆の前では昔と同様、祐麒のことを手の平で転がしているように見えるが、実際はこれこそが真の姿であった。
江利子は祐麒のトランクスの上から、愛おしげに手でさすり頬ずりをする。
「今日は、どうする? お手て? お口? それともアソコでもお尻でも……」
「そうだなー、とりあえず江利子姉さんのその大きな胸でしてもらおうかな」
「う、うん、でもそうすると縄が邪魔で」縄は、下着の上から縛り付けてあるのだ。
「駄目だったら、今日はもう戻るけれど」
「あ、待って待って、頑張るからっ! んっ、はぁっ……」縄に縛られたまま、どうにか下着をずらそうともがく江利子。
だけど、もがくほどに縄は食い込んできて、痛みと快楽を同時に高めていく。
「あっ……く、んはぁっ……あ、ん」
汗ばんだ江利子の胸に包まれながら、年明け一発目はどのように苛めてあげれば喜ぶだろうか、祐麒は考えるのであった。
~ 福沢家の2021姫初め <四女編> ~
元旦、朝からの正月特番にも飽きだして、祐麒はいったん自分の部屋に戻ることにした。
その途中、ふと何かが気になって足を止める。気のせいかと思ったが、耳をよく澄ませてみると、やはり聞こえてくる。
苦しそうなうめき声が。ごくごく小さな声で聞き逃してしまいそうだが、確かに耳に入ってきた。
その正体を探すべく、注意深く声の方に足を向けると、そこは静と令の部屋であった。扉に耳を近づけると、やはり苦しげな声。
令はリビングにいたから、そうなると静。もしかして、何か苦しんでいるのかもしれない。
「…………うあぁ!!!」
そんな悲鳴のような声が聞こえてきて、祐麒は焦って扉を開けて部屋の中に飛び込んだ。
「静姉さん大丈夫っ!?」
「……え?」
中に入るとそこには。椅子に深く座り、はだけた胸を掴み、スカートを膝までおろしてショーツに手を這わせている静の姿。
それは、年末の一大イベントで手にした戦利品で一人えっちをしている静であった。祐麒は知らずに飛び込んでしまったのだ。
「……ま、まあ、既にもっと恥ずかしい姿を祐麒さんに晒してしまっていますけれど、さすがに恥ずかしいです」
「ご、ごめんなさい、俺、あのっ」
「言い訳はいいです。そうですね、かわりと言ってはなんですが、祐麒さんのも見せていただけますか?」
「えっ!? いや、その、ちょっとそれは」
「私のを見たのに……そうですね、それではこういのはどうでしょう。私も中途半端だったので、手伝っていただけませんか?」
「へ?」
「かわりに、私が祐麒さんを手伝って差し上げますから……」
そうして、なぜか背後から静を抱きしめる格好の祐麒が静の胸と股間に触れ、静の手が祐麒のを握るという格好になっている。
「は、恥ずかしいんだけど、静姉さん?」
「去年の間、私にもっと恥ずかしいことを何度もしてきたじゃないですか」
「いや、むしろ静姉さんが俺にさせるようにしてきたんじゃ……おぅふっ」
「すっかり私、祐麒さん色に染められてしまって………ん、あっ……アソコもお尻も開発されてしまいましたから……んっ」
正月早々何をしているのだと思いながら、もちろんこれで盛り上がった体が満足するわけなく、二時間ほど静としてしまうのであった。
~ 福沢家の2021姫初め <五女編> ~
正月三が日の三日目、祐麒は令とともに初詣に向かっていた。
家族での初詣は昨日に済ませていたのだが、令だけが初売りの買い出しに出かけていて行けなかったのだ。
「令ちゃんごめんね、昨日は。令ちゃん一人に買い物に行かせちゃうなんてさ」
「ううん、私が好きで行っただけだから。それに、強行して祐麒くんと二人で初詣に来られてから、それも良かったかなって」
微笑む令。本当に、二人で来られたのは偶然の重なり合いによるものである。大体、他の誰かがついてくるのだが。
「それに令ちゃん、凄い綺麗、本当に似合っているよ」
「あ、ありがとう。そんなに褒めないで、うぅ~」
赤くなって頬を抑える令。今日の令は、見事な晴れ着姿なのであった。しかもそれが非常に似合っている。
二人は仲良く神社で初詣を済ませ、ちょっとお茶などして帰途へとつくことにした。
さすがに晴れ着でスーパーに行くというのも何なので、ブラブラと散歩をしながらのんびりと帰ることにした。
その帰り道、履きなれない下駄で足を痛めた令。どこかで休もうという祐麒を制して令が誘ったのは意外すぎる場所だった。
「あの、れ、令ちゃん、えと、本気?」
「うん、だって、あの、家じゃあ二人きりになれないし」
首まで赤くしながら、それでも令ははっきりと頷いた。令と二人で連れ立って入ったのは、なんとラブホテルだった。
確かに家では二人きりになれないが、だからといって姉妹の中で最も真面目で純情な令の方から誘ってくるとは思わなかった。
以前、祐麒の方からなんとなくそういう方向に持って行ったことはあるが。
「で、でも、着付けとか大変じゃない?」
「うん……それでも祐麒くん、前に晴れ着で姫初め、やってみたいって言っていたから……」
そんな風に小さな声で言う令がいじらしくて、可愛らしくて、祐麒は抱きしめずにはいられなかった。
「令ちゃん。おせち料理の残りって、まだ結構沢山あったよね?」
「え? う、うん、沢山作ったからね、今年」
「じゃあ、夕飯の支度とか大丈夫だよね。気が早いけれど、今日は延長してもいいよね?」
「あ……」
無言で、真っ赤な顔のまま頷く令。
そのまま乱れた晴れ着での着衣エロ、そして脱がした後と、祐麒と令は互いの御神酒を存分に注ぎ合ったのであった。