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【マリみてSS(祐麒・色々)】乙女はマリアさまに恋してる 第五話②

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~ 乙女はマリアさまに恋してる ~
<第五話 ②>

 

 

 二人用のインナーチューブに乗って巨大なスライダーを滑り降りる。跳ねる水しぶき、心地よい疾走感、そして、おっぱい。
 いや、二人乗りとはいえちゃんとそれぞれ掴む取っ手があるわけなのだけど、水で滑って手を離してしまい、結果として後ろに乗っていた志摩子に体ごとよりかかる格好となってしまい、背中に思い切り志摩子の胸が当たっているのだ。
 スライダーのハラハラドキドキ感よりも、背中にあたるむにゅむにゅぽにょぽにょ感が気になってしまい、そうこうしているうちにゴールであるプールに着水した。
「う、わぁっ」
「きゃっ!」
 まだ揺れているチューブの上で折り重なるように倒れている祐麒と志摩子、祐麒の後頭部は志摩子の胸を枕にする格好だ。
「ご、ごめんね、志摩子さんっ。手が滑っちゃって」
「ううん、私は大丈夫。祐紀さんは平気?」
「うん、お蔭様で」
「でも凄かったわね、こんなに迫力があるなんて……凄く、楽しかった」
 と、強がりでもなんでもなく笑顔を見せる志摩子。どうやらお気に召したようだったが、祐麒としては志摩子がこんな大股を開いた格好を平然と見せていることに驚いていた。スカートの下が水着のパンツとはいえ、やはり夏でありプールであり、リリアンのお嬢様をも開放的な気分にするのだろう。
「祐紀ちゃん、志摩子さん、どーだった?」
「最初は怖いと思っていたけれど、いざ滑ってみると楽しかったわ。桂さんの言う通り、思い切って挑戦してみてよかったわ」
「でしょでしょーっ、次は志摩子さん、あたしと一緒に滑ろうよ」
「ええ、喜んで」
 駆け寄って来た桂が志摩子と楽しそうに話している。
「志摩子さんがウォータースライダー好きとは以外ね、おっとりしているから、ああいうのは苦手かと思ったんだけど」
「蔦子さんは苦手なの?」
「私の場合、単に体力がないだけかな」
 軽く笑って肩をすくめてみせる蔦子。
 そんな蔦子であるが、眼鏡をかけていないせいかとにかく距離が近くなって困る。見分けるためにも近くないと駄目だというのだが、その分、目に入ってくる胸の谷間なんかに困るし、視界に入るだけならともかく時に触れてこられると堪らない。学園では他の生徒とも一定の距離を置いているように見えたのだが、まさか視力という現実的な問題によって隙が多くなり、且つスキンシップが多くなるとは思っていなかった。
 今もまた、お尻に食い込んだ水着のショーツに指を入れて直しているが、無意識な感じで行動しているその姿がなんだかエロい。ややゆったりとしたショートパンツで本当に良かったと思える。
「ねえ祐紀さん、ところで本当に駄目? 一枚だけでも」
「だ、ダメですっ」
「うーん、でもやっぱり学園一のアイドルとして、サービスショットの一枚でも提供するべきだと思うのよね」
「や、やめて」
 わざとらしく蔦子が手で写真を撮るふりをみせてきたので、慌てて腕で体を隠す。プールに遊びに来ると決まってから、蔦子は一枚でいいからオフショットを夏休み明けに展示させてくれと言ってきているのだ。曰く、そういうことも求められる立場なのだから、諦めてモデルになれと。
 当然、祐麒は断るのだが蔦子も諦めず粘る。
「わ、わたしなんかより、志摩子さんや蔦子さんの方がよっぽど素敵だと思うけど。ほら、胸も大きくてスタイルも良いし、わたしなんかぺったんこで、ねえ?」
「馬鹿ねえ、祐紀さんは貧乳だから可愛いんじゃない。それに、大きくても疲れるだけでそんなにいいことないわよ?」
「っ!?」
 と、両手で自らの二つの乳房を持ちあげてみせる蔦子。たわん、ぽゆん、とでもいうような音が聞こえそうな揺れを目の前でみせられ、途端に赤面する祐麒。
「ちょ、ちょ、蔦子さんってば!」
 慌てて腕を掴んで止める。
「なに、どうしたの急に」
「どっ、どうしたの、じゃないよ。そ、そーゆーこと、あまりしない方がいいと思う」
 いや、嬉しくはあるのだけれど。嬉しいんだけど。
「あー、ごめん、別に自慢とかそういうつもりじゃなかったんだけど」
 勘違いした蔦子が見当違いの方向で謝って頭を下げたが、それもまた胸の谷間の迫力を強調させるだけだった。駄目だと思っても目が吸い寄せられてしまう。
「――――痛っ!?」
「え、な、何、どうしたの?」
「いや、足が……」
「あ、悪い、不注意だ」
 いつの間にかやってきたのか、横にきたアンリに足を踏まれた。しかも、すぐに足をどけずにグリグリされている。
「あ、アンリさん?」
 痛い、けれど、痛みのおかげで下半身が少しおさまってきた。そうか、祐麒のピンチを悟って助けに入ってくれたのかと理解し、感謝の意味を込めて笑顔を向ける。
「――――っ」
 するとアンリは、ぷいと横を向いてしまった。照れているのだろうか。
「おーいっ、祐紀ちゃん、蔦子さん、アンリさーん! そろそろお昼ご飯にしよっ、もうお腹ぺこぺこだよぅ」
 そこへタイミングよく桂が元気よくやってきてくれたので、皆でランチタイムに入った。お昼休憩を挟んで午後も目いっぱい遊び、満足してプールを出た後は、閉園までの間に遊園地のアトラクションを楽しんだ。時間が少ないから厳選し、絶叫マシンとコーヒーカップ、最後に観覧車と定番のものを選択(なお、お化け屋敷はアンリが頑なに拒んだ)。
「観覧車からの景色、綺麗だったねぇ! 祐紀ちゃんと一緒に観られて、サイコー!」
「わたしも、桂ちゃんと一緒に観られて嬉しかった」
「えへへー、ホント? 祐紀ちゃん大好き!!」
 べったりと腕にしがみついてくる桂からはおっぱいの感触。
 うーん、桂ちゃん可愛い。そしておっぱいがたまらない。
「あーあ、でも楽しいとあっという間だな。もっと遊びたかった」
「また今度、皆で遊びに行こうよ。夏休みはまだあるんだし」
「そうだよね、うん、今度はどこに行こうか」
 かしましくお喋りをして帰宅の途に就く。
 そのまま学園寮に戻るはずだったのだが。

「――――寝過ごしたね」
 帰りの電車の中、疲れと心地よい揺れによって見事に熟睡してしまった五人は、本来降りるべき駅を遥かに通り過ぎた終点で目が覚めた。
「しまった、あたしとしたことが油断した……学生生活に染まっていたか」
 悔しそうに歯噛みをするアンリだが、別にそこまで責任を負う必要はない。まだそこまで遅い時間ではないし、折り返し戻ればよいだけなのだから。
「……ねえ皆、ここから寮まで戻るの時間かかるし、面倒くさいよねぇ」
「そうだけど、戻らないことには仕方ないわよ」
「あのさあ、良かったらあたしの家、泊まりに来ない?」
「ん? 桂ちゃんのご実家、この辺なんだっけ」
「あ、ううん、正確にはおじいちゃんの家なんだけどね」
「でもそんな、いきなり訪れるなんてご迷惑でしょう」
「それは大丈夫、おじいちゃんの家、よく飛び入りでのお客さんとか多いから、あたしたち五人くらい楽勝だと思う。それにおじいちゃん、あたしに甘いし」
「……もしかして桂ちゃんのお家って、凄いお金持ちなの?」
 当日いきなり五人が押し掛けていって問題なく宿泊できるなんて、どんな家なのだろうかと思ってしまうが、桂は笑って否定する。
「違う違う、そんなんじゃないの。ただ、家が古くて広いだけで、部屋が余っているだけ」
「ふーん……」
 昔ながらの家に、おじいさん夫婦二人で住んでいるから部屋が空いているのだろうか。
「でも、いきなり外泊だなんて、寮に申請もしていないし」
「それなら、おじいちゃんに連絡いれてもらうから。あと、アンリさんも一緒だし」
 アンリは生徒であると同時に成人女性でもあるから、確かに祐紀たちを引率する立場だとしても不思議ではない。小笠原家から来ているというれっきとした後ろ盾もあるし、確かにそれなら信用はしてくれそうだが。
「うん、もう絶対に皆でお泊まりしたい! ね、ね、いいでしょ?」
 祐紀達四人は顔を見合わせる。
 とりあえず桂の祖父、そしてアンリから寮に連絡を入れて許可が得られたらそうしようか、という話になった。とはいえ、そう簡単に例外が認められるとも思えなかったのだが。
「OKだって、やったぁ!」
 あっさりとOKが出たことが間違いないと、アンリの方からも確認が出来た。
 不思議に思いつつも、元気よく歩く桂についてゆく。急ではあるが、お泊まり会は確かに楽しくもあるから。

「――――――――」
「え~と…………ここ?」
「そう、みたいね」
 絶句する。
 連れてこられた桂の祖父の家は、呆れるほどでかかった。というか、歩いている時から延々と塀が続くなと思ったら、それは全て桂の祖父の家の塀だった。
 そしてようやくたどり着いた門をくぐると、数人の男が出迎えに出てきていたのだが、それがまたなんというか。
「お帰りなさいませ、お嬢。久しぶりでございます」
「あ、マサさんお久しぶり、元気だった?」
「へえ、お蔭様でつつがなく」
 強面で、見るからに何というか、アレな感じの男性ばかりであり、隣にいる蔦子の笑顔も引きつっている。
「こちらがお嬢のご学友の皆さまですね? ようこそいらっしゃいました、今日はゆっくりしていってください」
 丁寧に頭を下げてくれるし、相好を崩してはいるのだが、一言でいうならば怖い。
「マサさんも他の皆もぱっと見は怖いかもしれないけれど、すっごく優しい人ばかりだから。あたしも小さいころから凄い可愛がってもらっているから」
 確かに桂は可愛がってもらってきて慣れているのだろうが、単に外見的なものだけでなく、空気というか雰囲気というかが世間一般の人と異なるように思えるのは気のせいだろうか。
「あ、あの、アンリさん。これって……」
「あまり深く考えない方が身のためのようだぜ。中には結構な使い手もいるのが、ピリピリと伝わってきやがる」
「ひええ……」
 不敵な笑みを浮かべるアンリの声色に冗談では済まされないものを感じ、余計な詮索はしないと心に決めた。
 屋敷内に入って挨拶をした桂の祖父も、好々爺といった顔をして桂のことを出迎えてくれはしたのだが、えらく眼光が力強い。
「ごめんねお祖父ちゃん、急に来ちゃって」
「おお、何を言うか、桂だったらいつ来てくれても大歓迎じゃよ。そちらがお友達の皆さんかい?」
「うん、みんな、仲の良いお友達」
「そうか。若いお嬢さん方には退屈かもしれないが、部屋だけは余っていますから、ゆっくりしていってください」
「ありがとうお祖父ちゃん。あと、実は夜ご飯もまだなんだけど、何か残り物でもいいからあるかな? なければコンビニでも行ってくるけれど」
「何を言う、せっかく久しぶりに来てくれた桂にそんなもの食わせられん。おい、タク」
 ぱちん、と指を鳴らすお祖父ちゃん。
 すると一人の男が素早くやってきて首を垂れる。
「今出来る最高のモンを用意しろ。そやな、今日届いた鱧があるやろ」
「お任せください、最高のものを作ってみせます」
「うわぁ、タクさんのお料理、大好き! 楽しみ」
「あ、ありがとうございます」
 桂が喜び満面の笑みを見せると、途端にでれっとした顔をするタク。いやタクだけではない、マサや他に集まった人達も皆、桂を見て相好を崩している。微笑ましいシーンのはずなのに、なぜか辛い。
 その後ふるまわれた鱧料理は絶品で、料理だけでなく食器など含めてどう考えても高級なのだが、桂に対して「やっぱりお嬢様なのではないか」とは尋ねられなかった。
 食事を終え、お風呂も二組に分かれていただき(祐麒はもちろん、アンリと一緒になるようお願いした)、そのお風呂から戻る廊下の途中で話し声が聞こえてきた。
「……しかしびっくりしましたね、お嬢がいきなり訪ねてくるなんて」
「ああ。だが、こんなハプニングなら歓迎じゃ……今のような平時ならな」
「しかし、ご学友も一緒というのは少し……」
「桂の友達じゃ、あんな喜んどる桂を見られるなら何でもしたる……マサ、お前らも分かっているな?」
「もちろんです、俺達だってお嬢の笑顔は何者にもかえられませんから」
「――まあ、友達ゆうても、もし男なんか連れてきたら、ちょん切ったるがな」
「――――!?」
 そんな会話を耳にして、反射的に下半身を手で抑える。
 これは絶対に、バレるわけにはいかない。
 夏の蒸し暑さもどこへやら、背筋が冷える様な思いをして用意してもらった客間へと戻ると、既に布団が敷かれて寝る準備が出来ていた。先に風呂に入った桂、志摩子、蔦子は貸し出された浴衣を身にまとい、布団の上に座ってお喋りをしていたようだ。
 祐麒とアンリも加わってしばらくお喋りを楽しんだが、プールで遊んだ疲れからか、布団に寝転んで話をしているうちにいつしか皆、眠りに入っていった。先に寝てしまうと危険なので祐麒も頑張って起きていたが、桂、志摩子、蔦子と順に寝入っていったのを確認して眠りに落ちた。

 

 ――やけに寝苦しくて、目が覚めた。
 夏だから暑いのは仕方ないけれど、この家は作りが良いのか風が入りやすいのか、エアコンを入れていなくてもそこまで蒸し暑くはなかった。だけど今寝苦しいのは暑さのせいでなく、文字通り苦しいのだ、息が。
 なんだこれ、何かに顔を塞がれて呼吸が出来なくなっている。このままではヤバいと、顔を覆うモノを掴んでどうにか顔面から引き剥がす。
「――――っ」
 手に掴んでいるもの、先ほどまで祐麒の顔面を包み込んでいたのは、おっぱいだった。二つのたわわな果実を今、祐麒は素手で掴んでいる状態で、指が沈み込んでしまうほどの柔軟性に驚く。
 おそるおそる視線をあげてみると、大胆に浴衣の前がはだけている志摩子の寝姿が目に入る。
(し、し、志摩子さんの、おっP――!?)
 早くこの手を離さなければと思ったが、離すと見えてしまう。お喋りしている時、部屋の明かりを完全に消さず茶色を点けていたので、見えるのだ。
 だからといってこのまま握り続けて良いものだろうか、そう悩んでいると志摩子が「うぅん」とか悩ましげな声を出しつつ身じろぎした。その弾みで浴衣が更に乱れる。
(うわっ、ぱ、ぱんつまで……っ)
 寮や学園で目にすることはあっても、いまだに慣れるものではない。おまけに学園で一、二を争う美少女である志摩子の寝乱れ下着姿である、興奮しない方がおかしい。
(――って、興奮していちゃ駄目だってば!)
 窮地をしのごうとう考え、まず首を捻って上を向いて視線を剥がしてからそろりと手を離す。そのままごろりと回転して反対側に体を向け、さあこれで一安心、かと思いきや。
(え……えええっ!?)
 今度はなぜか、太ももが目の前にある。
 どういうことかと目を転じれば、祐麒の下半身の方に蔦子の顔があった。
(蔦子さん、寝相悪すぎっ!?)
 半回転して頭と足が逆さになっているのだ。
 いやでも、これなら先ほどの志摩子みたいに胸に目を奪われずに済むかと、無理矢理良い方向に考えることにする。
「んん……は……っ」
「ひっ……!」
 とんでもない考え違いだった。
 蔦子の顔が祐麒の股間と触れ合わん場所にあって、寝息がかかる。祐麒の浴衣もはだけてボクサーパンツが露わになり、蔦子の鼻先が触れる。
(ややややばい、やばい、逃げないと……っ!?)
 しかし、そんな祐麒を逃すまいとするかのように蔦子の足が祐麒の頭を押さえつけてくる。先ほどは志摩子の胸に挟まれ、今度は蔦子の太ももに挟まれる。
(ちょっ、嬉しいけど苦しい……なんかジョリジョリ当たるし……って! まさか蔦子さん、ののの、ノーパ……)
 上はともかく、下は一応替えの下着を用意してもらっていたのだが、身に着けていないということか。
「んっ……ちょ、つ、つた……んむっ」
「あっ、んんっ……はぁっ」
 喋ろうとしたことが刺激になったのか、悩ましい吐息を漏らしてさらに強く太腿で締め付けてくる。それで逃れようとするとまた蔦子を刺激することになり、締め付けは逆に強くなる。
「あんっ……ふぅっ、あ、あぁ……」
 身を震わせる蔦子が、何かに耐えるように手近にあったものを握る。
(う、あ、あっ、だめ、ダメっ、蔦子さん、それ……!!)
 むっちりとした蔦子の太腿をつかんで押し開いてようやくのことで顔を抜き、ゆっくりと腰を引いて窮地を脱する。
 しかし前門の太もも、後門のおっぱいと、進退窮まった状態でどうすれば良いのか――
「……この、スケベ野郎」
「えっ、アンリ?」
 と、今度はいつの間にかアンリがやってきて、強引に蔦子との間に入り込む。
「……そんなに、胸が大きいのがいいのかよ」
「な、なんか、怒ってます?」
「別に、怒ってねえよ。なんだあたしが怒るんだよ」
「そ、そうですよね」
 とはいうものの、明らかに表情は怒っているように見える。これはあれか、志摩子や蔦子の色香で男とばれかねない状態になってしまっていることを咎めているのだろう。しかし、今のサンドウィッチ状態では仕方なかったのだと言い訳をしたい。
「……そりゃ、あたしは小さいけどよ、だからって、志摩子さまや蔦子さまばっかり」
「ん? 何か言いました?」
「だから、祐麒はあたしだけを見ていればいいんだよ」
 と、アンリは口にしてからハッとした。
(――ってこれじゃあ、まるで告白じゃないか!? あ、あたし、何を言って)
 混乱するアンリ。
 一方で祐麒は。
(ああ……そうか、志摩子さんや蔦子さんに惑わされず、今はアンリさんに集中して他のことは忘れてしまえってことだな)
 と、内心で勝手に良い方向に変換する。
 その結果。
「あ、あの、祐麒、今のはそのっ」
「はい、分かりました」
「だから、あの――――って、え?」
「ありがとうございます。分かりました、アンリさんだけ、見ることにします」
(え、え、ええええええっ!? それって、イエスってことだよな!? ま、マジで、祐麒もあたしのこと――)
 耳まで真っ赤になるアンリ。
「それじゃあ、アンリ――」
「え、え、あぅあぅ」
 パニックに陥るアンリ。
「おやすみなさい」
「あぅぅ、あ……え? あ、おい?」
 問いかけるアンリであったが、あっさりと眠りに落ちる祐麒。
「ちょっ……え、これ、どうすれば……あぁぁ……」
 なぜか祐麒はアンリに抱き着いて眠っていて抱き枕状態、そのまま身動きも出来ず、さりとて簡単に眠ることも出来ずにアンリは長い夜を過ごすのであった。

 

「――それじゃあお祖父ちゃん、また来るからね」
 手を振り、見送ってくれているお祖父ちゃん、マサさん、その他大勢の人たちに別れを告げる。
「いやー、それにしても凄い家だったわね、桂さんのお祖父さんのお家」
「だからそんなことないって、古くからあるからそう思えるだけで。それに両親は普通のサラリーマンで実はお祖父ちゃんとは凄く仲が悪くて、友達とかにも誰にも言うなって言われているの。だから今日のお泊まりのことは、内緒にしてね」
「――ええ、その方が身のためだというのは理解しているわ」
 引きつった笑みを浮かべて頷く蔦子。
 祐麒も色々と尋ねたいことはあったが、口にしない方が良いと理解して忘れることにした。
「いやー、でも今日は朝起きたらびっくりしたー。志摩子さんも蔦子さんも殆ど裸で祐紀ちゃんと抱き合っているんだもん」
「ちょっ、桂ちゃん!?」
「二人とも、実は意外と寝相が悪いんだね」
「恥ずかしいわ……あんな姿を見られて……」
「いや、あはは、浴衣とか慣れて無かったから。それに浴衣のときって、下着を身に着けないものでしょう」
「志摩子さんと蔦子さんのおっぱいに挟まれて祐紀ちゃん、気持ちよさそうで羨ましかったなー。今度はあたしも志摩子さんと蔦子さんのおっぱい枕で楽しみたい!」
「ほう……そんなことをしていたんだ、祐麒」
 それは、祐麒の抱き枕からようやく脱して短い眠りから目覚めた後、気合を入れ直すべくアンリが早朝自主訓練のために起きて外に出て行った後の事だったので、アンリは与り知らぬことだったのだ。
「ちちち違うんです、気が付いたらそんなことに……って、なんでアンリさんがそんなに怒るんですかーーっ!?」
 アンリにチョークスリーパーを決められつつ悲鳴をあげる祐麒であった。

 

 

第五話 ②につづく

 

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