【作品情報】
作品名:ママ友と育てるラブコメ
著者:緒二葉
ページ数:296
ジャンル:エンタメ
出版社:小学館
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
ママ友度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : ちょっと変わったラブコメを読んでみたい
昏本響汰は、3歳の妹が大好きなシスコン高校生。
両親が共働きで家事育児もこなす。
暁山澄は容姿端麗、頭脳明晰な孤高の少女。
その存在感で何人たりとも寄せ付けない。
ある日妹の入園式に参列した響汰は、頬を紅潮させ、カメラマンばりにシャッターを切る澄の姿を発見する。
「郁、なんて愛らしいの……」彼女も、超ブラコンなお姉ちゃんだったのだ!
お互い妹・弟の世話をしていることを知り、徐々に仲が深まっていく。
料理、幼稚園の送り迎え、休日デート。
そう、まさに二人の関係は“ママ友”だったーー。
ラブコメの設定も色々とありますが、本作は、「ママ友」!
といっても、実際に主人公二人がママというわけではありません(それはそれで面白そう?)
主人公の昏本響汰は、年の離れた3歳の妹が大好きな高校生。
両親にかわって妹の面倒を見ており、家事を含めて育児も行ってきた。
生活の中心は妹であり、学校でもそれを周囲に展開していて認識されている。
そんな愛する妹の保育園の入園式に行くと、そこにはなんとクラスメイトで容姿端麗、頭脳明晰な暁山澄の姿があった。
澄もまた3歳の弟を溺愛し、育児を行っているお姉ちゃんだった。
思いがけず、互いの境遇が似ていることを知る二人。
そこから近づいていく関係。
響汰の方はオープンにしているけれど、澄の方は育児のことを秘密にしている。
だけど、育児というのは本当に大変で、普通に高校生活をして、しかも成績も優秀でクラス委員もしてと負担も多い澄。
プライドも高く、無理をしちゃう澄に対して、同じ境遇の響汰は自然と助けてやりたいと思う。
澄のためというのもあるけれど、幼い弟を悲しませることはしちゃいけない。
自分に幼い妹がいるからこそ、それを強く思う響汰の行動は共感を得られやすいはず。
なるほどねー、そういう設定もありですね。
主人公とヒロインの仲をいかに近づけるかという課題に対し、同じ境遇、同じ悩みを抱えるようにするというのは手法の一つ。
ただ、同じ境遇だとしてヒロインが頑なだったりプライドが高いと、そう簡単には近づかない。
だけどこれは幼い姉弟がいて、意地を張ったりしても姉弟が不幸になるだけ。
否が応でも、協力し合わないといけない、という状態に自然になれるというわけですね。
展開としては王道でもあり、安定して読み進めることもできます。
1巻としては、まあ。
ここから、どれだけ膨らませて楽しませることが出来るか。
幼い姉弟がいるという設定から、奇をてらわなくても楽しませる展開にはもっていけると思う。