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ミステリー 書評

【ブックレビュー】梟のシエスタ(著:伊与原新)

更新日:

【作品情報】
 作品名:梟のシエスタ
 著者:伊与原 新
 ページ数:222
 ジャンル:ミステリ―
 出版社:光文社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 アカデミック度 : ★★★★★☆☆☆☆☆
 こういう人におススメ! : 大学の派閥抗争とかちょっと知りたい

■作品について

昼間は常に眠そうで機嫌の悪いピカレスク・ヒーロー、袋井准教授あらわる!

学長選挙の迫る地方国立大学に新たに赴任してきた袋井准教授。
型破りな「フクロウ」は、次々とトラブルに首を突っ込み、教授たちのスキャンダルを暴き立てていく。いったい、彼の目的は何だ? 
異色のアカデミック・エンタテインメント!

■良かった点

大学を舞台にした作品。
とはいっても大学生ではなく、大学教授たちの権力争い、派閥争いなどのドロドロしたところを描いている。
伊与原さんといえば理系作品という感じですが、今作の大学では文系学科の方を描いている。
ということで、アカデミックな要素は殆どなし。
あくまで大学内で発生した問題、課題を軸に、派閥争いがどのように動いていくかを見せている。
だからだろうか、物足りなく感じてしまうのは。

ただ、大学の事情、組織改革に向けての動きや阻害するものとか、そういったものは分かりやすく描けている。
私自身がその現実を知っているわけではないですが、きっとこういう世界なんだろうなと思わせてくれる。
いや、こんな世界にいたいかというとちょっと嫌ですね(笑)

袋井准教授はそんなに出番が多いわけではなく、重要なところだけ出てきて事件を解決(?)に導いていく。
昼行燈で夜だけ鋭くなる、その変貌はなかなか。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

つまらないわけではないのだが、特別何か残るというものでもない。
そんな作品。

 

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