ミステリー 書評

【ブックレビュー】エラリー・クイーンの冒険【新訳版】(著:エラリー・クイーン)

更新日:

【作品情報】
 作品名:エラリー・クイーンの冒険【新訳版】
 著者:エラリー・クイーン
 ページ数:500ページ
 ジャンル:ミステリー
 出版社:東京創元社

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 隙の無い論理度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : これからエラリー・クイーンを手に取る人

 

■作品について

ミステリーの巨匠、エラリー・クイーンの短編集。
ダイイングメッセージ、不自然な殺害方法、謎の遺留品、といった様々な謎の遺された11の事件。
それらを論理で解き明かしていく、今も色あせない傑作選!

■良かった点

数々のミステリー作品を残した巨匠、エラリー・クイーン。
しかしながら実は私が読むのは本作が初めてである。
だが、そういう人にこそ本作はお薦めといえるだろう。

新訳版ということであろうか、古典ともいわれるくらいの作品ではあるのだが文体は非常に読みやすい。
旧訳版を読んでいないので比較はできないが、他の古典といわれる作品と比べてみてもうまく訳されており、ありがちな「翻訳が古臭くて読み辛いので読む気が失せた」ということにはならない。
更に短編集ということで、一篇は40~60ページほど。一日一遍など、読み切りやすい。
収録されている各短編もバラエティに富んでおり、それでいて謎は本格。
クイーンが紐解いていく論理のパズルは、読んでいて「なるほど」と思わされるし、現代の作家で影響を受けている人が多くいるというのも、これを読んで理解できる。

収録されている11の短編を全て紹介すると長くなってしまうので、ここでは印象に残ったものを抜粋する。

【アフリカ旅商人の冒険】
 エラリーが大学に招かれて、三人の大学生に講義をする、それも実際の殺人事件の現場につれていき実地で行う、というのがまず面白い。学生達の推理を聞いた後、本命のエラリーの推理。それはもちろん殺人現場の状況からかっちり隙なく固めていく。
 ああ、これがエラリー・クイーンか、と思わせるのにぴったりな本作の一作目である。

【首吊りアクロバットの冒険】
 サーカスの一座で起きた殺人事件。
 刺殺、撲殺、射殺など、その場で簡単にできる殺害方法があったのに、なぜ絞殺という手段を選んだのか? そのホワイダニットから導き出される結論は、「なるほど」と納得してしまう。

【ひげのある女の冒険】
 タイトルからして、なんじゃこれ、といった感じを受けるが、立派なダイイングメッセージもの。
 殺害された男が残したのは、描いていた絵。その絵の女には、なぜかひげが描かれていたのだが、何を意味するのか?
 明かされてみればシンプルなれど、だからこそ無駄がない推理といえる。

【一ペニー黒切手の冒険】
 貴重な切手が盗まれた。切手は誰に、なぜ盗まれたのか。また盗まれた切手はどこにいったのか。
 切手の事件と同時に、とある同じ本ばかりが盗まれる事件も発生。この二つの事件の繋がりとは?
 状況的な証拠だけでなく、犯人の心理的立場にも考えを寄せたうえで解決していく展開がお見事。

4作ほど紹介してみましたが、もちろん他の作品も本格推理ものとして秀逸。
また、単に謎解きだけでなく、エラリーのみせるお茶目なところ(美女に弱い)とか、ちょっとしたところも読んでいてクスッとしますね。

読んで損なし、エラリー・クイーンを読んだこと無い人は是非手に取ってみてください。

・・・・余談ですが、なるほど、エラリー・クイーンを読むと、法月倫太郎氏がクイーンを尊敬しているのだなというのが分かりますね。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

まあ、ときには、「その論理はどうだろう」と突っ込みたくなる個所が全くないというわけではないかな。
そんな気もしたけれど、それがどこかと言われると具体的に思い出せないから、やっぱ読むと納得はしたんだろうなぁ。

 

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