【作品情報】
作品名:ハローサマー、グッドバイ
著者:マイクル・コーニイ
ページ数:384ページ
ジャンル:SF
出版社: 河出書房新社
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
甘酸っぱい青春度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : ラストの反転に期待したい
戦争の影が次第に深まるなか、ドローヴは両親と休暇をすごすべくバラークシにやってきた。
そこで一人の少女、ブラウンアイズと再会を果たす。
奇妙な生態系をもつ星での、少年と少女の恋愛。
だがその裏では信じられないような陰謀が進行していて・・・・?
SF屈指の恋愛小説! なんて言われていたりしますが、果たしてそうなのか。
正直、最後まで読めばそんな甘ったるい物語でないことは分かる。
むしろ、どんどん重苦しくなっていく。爽やかさとは離れていく。
奇妙な生態系がなかなかに面白い。
きらめく青い腕を広げて獲物を水中に引きずり込んで結晶化するアイス・デビル。
死体を食い尽くす鳥グルーム・ライダー。
おとなしい絹の毛皮を持つロリン。
そんな場所を舞台にドローブとブラウンアイズを中心とした子供たちの物語ではあるのだが、そこにあるのは恋愛と成長だけではない。
厳しい大人の世界、暴力、寒さ(この世界では寒さが敵)、理不尽さ。
そういったものが作中で示されている。
ただ、そんな中でも少女、ブラウンアイズの魅力は確かに高い。あと、何気にサブヒロインもちょっと、うん、色々ある。
この作品を評価する点は、甘酸っぱい少年と少女の青春恋愛小説から、後半になってそれが壮大な謎を含んだ物語に転じるところであろう。
ぶっちゃけ、恋愛だけなら他の作品を読んだって構わない。
後半の重苦しさ、そしてなんといってもラストであろう。
え、そういうこと!?
で、そうしたらこの後はどうなるのよ、え、これで終わっちゃうの!?
そう思わせてくれるどんでん返し。
タイトル「ハローサマー・グッドバイ」も秀逸。
手に取りたくなるタイトル作品の一つだ。
尚、紹介したのは河出文庫版だが、私が所有しているのはサンリオ文庫版である。
だからどうしたというものでもないが、その辺の翻訳の差までは分からない。
翻訳ものだけに、翻訳はもうどうにもならない。いや、悪いというわけじゃなく、これは合う合わないか。
あと、やはり若いうちに読んだ方が感性的に良いかもしれない・・・・
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