【作品情報】
作品名:世界でいちばん透きとおった物語2
著者:杉井光
ページ数:256
ジャンル:ミステリ―
出版社:新潮社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
透きとおった物語度 : ★★★★☆☆☆☆☆☆
こういう人におススメ! : ミステリ―好き
新人作家の藤阪燈真の元に奇妙な依頼が舞い込む。
コンビ作家・翠川双輔のプロット担当が死去したため、ミステリ専門雑誌『アメジスト』で連載中の未完の作品『殺導線の少女』の解決編を探ってほしいというものだ。
担当編集の霧子の力を借りて調べるうちに、小説に残された故人の想いが明らかになり――
前作がある意味で一発勝負のネタだったので、続編があるとは思わなかった。
さすがに、前作のようなものではなく、物語として作り上げている。
登場人物は継続、藤阪燈真と担当編集の霧子のコンビで謎を追いかけていく。
コンビ作家・翠川双輔のプロット担当が死去したことで未完となった作品の謎を追いかけていく。
どのような結末になるのか、というのはもちろんだけれども。
その作品そのものに隠された謎というか。
作品に対して故人となった作者がどのような思いを込めていたのか。
いわゆる作中作となる『殺導線の少女』の内容そのものというよりも、その作りというか。
故人の遺作を辿っていく物語という意味では、前作より今作の方が良かったと思う。
前作は作品全体のネタとしての完成度。
本作は物語としての完成度。
そういう感じ。
内容的には、本作の方が残った。
物語としては上手くかけていると思う。
ただ、透きとおった物語かどうかと問われると、そこは疑問が浮かぶ。
このタイトルだと、前作のようなことを期待しちゃう人もいるかもしれない。
タイトルは変えた方が良かったんじゃないのかな。
まあ、このタイトルの方が売れるだろうから仕方ないのか?
