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【ブックレビュー】アンダードッグス(著:長浦京)

更新日:

【作品情報】
 作品名:アンダードッグス
 著者:長浦京
 ページ数:400
 ジャンル:エンタメ、ミステリー
 出版社:KADOKAWA

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 裏切り裏切られ度 : ★★★★★★★★★☆
 こういう人におススメ! : ノンストップエンタメアクション好き

■作品について

古葉慶太はかつて官僚として働いていたが、組織ぐるみの不正によって追い出され、今は証券会社で働いていた。

ある日、そんな古葉に対して顧客である大富豪・マッシモに呼び出されてとある計画への参画を求められる。

それは、中国返還直前の香港から密かに運び出される国家機密を強奪するというもの。

スパイでも軍人でもない一介の証券マンに何を求めているのか?

しかし、古葉に拒否権はなくマッシモの命じられたまま香港に飛ぶと、そこで待っていたのは様々な国籍の男達。

いずれも古葉と同様、過去に何かをしでかしたことで集められた”負け犬”たち。

彼らは計画を狙う各国を相手に、香港を駆け抜ける。

■良かった点

いやー、面白い。

長浦さんの前作、『マーダーズ』も楽しみましたが、やはりこういう世界をまたにかけたスパイアクション、ということで燃えて盛り上がるものがあります。

主人公の古葉は元完了の証券マン。
官僚時代、裏金作りに巻き込まれた挙句に全てを失ってしまった男。
そんな男になぜか目を付けたのが、大富豪のマッシモ。
古葉に託されたマッシモからの計画は、中国返還直前の香港から密かに運び出される国家機密をせよというもの。
その中には、官僚時代の古葉から全てを奪ったものたちの秘密も隠されているという。

逃げたら死、立ち向かうは危険なミッション。
それでも生き残るために必死で考え、もがいて、進んでいく古葉。
もちろん一人ではなくチームを組むわけだが、そのチームのメンバー達も過去に曰くをもつ”負け犬”たち。
同じチームとはいえ、本当に味方なのか、信頼できるのかも分からない。
誰が敵で、誰が味方で、誰を信じれば良いのか。
昨日まで味方だった相手が敵になり、また敵だった相手が強力な援護にまわる。
目まぐるしく変わる立ち位置の中で、古葉は必死にミッション達成を目指していく。

とにかく、読んでいて息をつかせない展開である。
それは一章のラストから明確で、その時点で「え」と思わせられる。
こいつは生き残るんじゃないかと思った登場人物が、ちょっとしたらすぐに退場してしまったり。
本当に目が離せないというか、もうちょっと活躍すると思ったのにという人から、そうではない人まで、簡単に命が失われていく。
もちろんそういう世界での戦いを描いているのだが、容赦なさはさすがというところ。

物語は1997年-98年の古葉の行動を主としながらも、現代で古葉の娘という瑛美の視点にもうつっていく。
瑛美が知る父親とは全く違う姿を見せる古葉慶太の過去を追いながら、瑛美に残されたものとは何か。
国と国を巻き込んでのミッションの行方はどうなったのか。
最後まで目を離せず一気読みさせるだけの力がある。

長浦さんの過去作『赤刃』、『リボルバー・リリー』、『マーダーズ』の流れからすると、ややマイルド仕立てにして一般向けを強めた感じ、だろうか。
それ故に、多くの人が楽しめるエンタメアクション作品となっている。
映画化にぴったり、ともいえるかもしれない。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

元官僚の古葉にここまで出来るのか!?
なんていうのは野暮なモノ。
エンタメですし、負け犬だって、いや負け犬で怖さを知るからこそ必死になって噛みつくのでしょう。

あと一般向け感が強まった反面、ノワール感はないので、過去作のファンの人からすれば物足りなさを感じるかも?

 

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